我々、「歴史の真実を求める世界連合会」は、慰安婦についての真実について書かれた信頼できる資料を求めていた。韓国系の団体から発せられる資料は、元慰安婦と称する女性の口述を基にしているために、政治的な意図から歪曲されていると思われるケースが多く、信頼するには足りないものが多いからである。
そこで見つけたのが、中村粲氏が「昭和史研究所会報」に連載していた「慰安婦問題:証言と手記」である。中村氏は将来に起こるであろう国際問題を予見してこのシリーズをはじめられたのであろう。
慰安婦をユネスコの「世界の記憶遺産」に登録しようとする中国・韓国などの団体が慰安婦を「性奴隷」として登録しようとしていることを察して、我々はそれを阻止するために「慰安婦と日本軍の規律」というテーマのもとに全く異なった観点から記述されたこの書類を、アメリカの公文書館に収められているものなどともにユネスコに提出したのである。ユネスコは同じ慰安婦について全く異なった提案がなされたために、どちらの提案も採択せず、両者の登録を保留し、現時点では両者が協議を重ねることになっている。
ここに収められている日本軍兵士などの慰安婦に関する記述は、彼らの直接的な経験を記したものであるので、極めて貴重である。彼らがどのような態度で慰安婦に接していたかが、彼女らに対する愛着や差別意識なども含めて如実に記されている。この資料は慰安婦に関する主要な一次資料の一つとして、今後扱われるであろう。このような貴重な記録を蒐集して日本社会に残してくれた中村粲氏に深く感謝する次第である。
慰安婦問題の解決に取り組む者として、この図書が広く読まれ、正しい理解が広まることを祈っている。