
魂の五つの傷について最初の本を書いてから、すでに一四年が経ちました。
この一四年間で、私と講師たちは、無数とも言えるワークショップやセミナーを開催してきました。
そして、自分たちの観察を通し、また参加者からの情報提供を通して、五つの傷について、きわめて的確な見方ができるようになったのです。
本書を読むことによって、あなたは、五つの傷について新たな見方を学ぶことになるでしょう。
現実がまったく別のものであったことを知るのです。
あなたがハートの中に入れば、さらに全体がはっきり見えるようになり、新たな視点で、状況や人間を見ることが可能となるはずです。
たとえば、ある人と話していて、あなたが拒絶されたと感じたとしましょう。
その場合、その人は、自分のニーズと限界を表現しているに過ぎないのです。
そんな際に、あなたが、傷の痛みを感じている自分を、ただ単に観察することができるようになれば、その傷はあなたに痛みを与えることがますます少なくなり、しかも、その期間もずっと短縮されることでしょう。
本を読んだり、ワークショップに参加したりして、五つの傷を発見すればするほど、みなさんはショックを受けるようです。
そして、なんとしてでも、その傷を厄介払いしたいと思うでしょう。
しかし、それらの傷を厄介払いする簡単な方法があると思ってはなりません。
というのも、私たちが、この地球上に転生輪廻してきているのは、まさに私たちが魂に傷を負っているからなのです。
その傷のせいで、本当の自分から遠ざかり、自分のセンターに入れず、ハートの中で生きることができずにいるのです。
それらの傷を厄介払いしたいと思うことは、〈拒絶〉のサインであって、〈受容〉のサインではありません。
それは、増えすぎた脂肪を除去しようとする人が、自分を受け入れる代わりに、自分を拒絶しているのと同じことなのです。
ある人、または何かを、受け入れることができないために、なんとか厄介払いしたとしても、それは一時的なものに過ぎません。
必ず、別な形をとって、それは、またやってくるでしょう。
どの傷が活性化しているか、どのようにそれを受け入ればいいのかが分かると、その傷を隠すための仮面を使わずにすむでしょう。
その時、あなたは、心地よい香りのする〈妙薬〉を傷に塗っていることになります。
傷の痛みが素早く収まるのを感じて、あなたはこころよい驚きを感じることでしょう。
その妙薬こそ、〈受容〉と呼ばれるものにほかなりません。
傷は、少しずつ癒されて、あなたを苦しめることがなくなっていくでしょう。
あなたはすでに〈受容〉の力については知っていることと思います。
なぜなら、すべての私の本、すべての私の講演、すべてのETCのセミナーにおいて、受容について触れられているからです。r
私たちが、繰り返し繰り返し、受容について語るのは、エゴが過去にしがみついて、あなたが新しく学んだことを忘れさせるからです。
ほかのすべての本におけるのと同様に、本書においても、私はあなたに親しい口調で話しかけましょう。
どうか、ハートを開いて、私の話を受け入れてください。
あなたが、それぞれの傷の深さをよりよく意識できるようになることが、本書を書いたもう一つの主要な理由です。
そのために、私は、活性化した傷の例を数多くあげることにしました。
実際、私は、この一四年のあいだに、私が関わった人たちに、しばしば次のような質問をしてきたのです。
「いま、あなたが話してくれた状況で、どの傷が活性化したか気づいていますか?」
すると、ほとんどの場合、その人は、驚いて私を見つめるのです。
というのも、痛む傷それ自体に意識を向けるよりも、むしろ、自分の我慢強さにフォーカスしていたからです。
つまり、エゴは、ある傷が活性化したとき、私たちがそれに気づかないように策を巡らせるのです。
しかし、自分がどの傷で苦しんでいるかに気づかなかったら、どうしてその傷を癒すことができるでしょうか?
さあ、ハートをさらに開いて、本書を読み進んでください。
それぞれの章の最後に、記入欄が用意されていますので、あなたがその章から学んだことで、ご自身の人生に適用したいと〈決意〉したことを、そこに書き込んでください。
あなたの人生に、確実で良好な変化を引き起こすためには、これまでとは違った行動を、日常生活においてしようと〈決意〉しなければなりません。
また、これまで、人生に変化を起こせなかったことを、ありのままに受け入れることも必要です。