私がリズ・ブルボーの教えと出会ったのは、今から11年前のことです。その直前まで、私は銀座のクラブで働いていました。4年間ナンバーワンとしてトップの売り上げをキープし続け、他人からすれば華やかな生活を送っているように見えていたと思います。また、私自身も、その生活にまったく不満はないと思っていました。
それが、31歳になったある日、突然、猛烈な「めまい」に襲われました。今でもあの日の恐ろしさを鮮明に思い出します。天井がグラグラ揺れ、立っていられない……。経験したことのない状況にパニックになり、「これはただごとではない!」と思いました。
救急車で病院に運び込まれ、そのまま10日間入院し、「三半規管の不調、メニエール症候群の疑い」という診断がつきましたが、根本的な原因は不明でした。
それまで大病をしたこともなく、健康そのものだったのに、自分で自分のからだを思うように動かせないという初めての体験に、強い不安を感じました。同時に、子どものころから何か成果や結果を出さなければいけない!と走り続けてきた私は、これでやっと休める……と、ほっとした自分にも気がつきました。
退院してからも、めまいは4カ月ほど続きました。もちろん通院し、薬も飲んでいましたが、まったく改善されないのです。
病気をきっかけに仕事をセーブし、からだを休ませることはできていましたが、その当時の状況に思うところもあり、直感的に「これは肉体的な部分とは違うところに原因があるのではないか?」と感じました。
この状況を打開するために、何かいいヒントはないものか、と本屋に行き、偶然手に取ったのが、『〈からだ〉の声を聞きなさい』でした。
それまでにも、いくつかスピリチュアル系の書籍を読んだことはありましたが、正直、あまりピンときませんでした。それが、リズの言葉には何か感じるものがあり、また幸運なことにワークショップが開催されるタイミングだったため、すぐにスクールに通い始めることができました。
日常生活に取り入れやすく、応用も効くシンプルなリズの教え、また起業家精神を持つバイタリティある女性としての生き方と考え方に、私は初めて大きく価値観を変えられたのです。
いま思うと、子どものころから頑張って頑張って走り続けてきた私に、宇宙が与えた、必然性のある休息でした。そして、『〈からだ〉の声を聞きなさい』との出会いによって、私の人生はまったく違う方向に進み始めたのです。
現在、私はリズの教えを学び、日本国内では初めてETC(COUTE TON CORPS)の全課程を修了した主催者として、スクールの運営をしています。
この本では、数多くあるリズの教えのエッセンスの中でも、特に重要な12項目を「ルール」としてまとめ、具体的な実例、特に、私が病気をきっかけに自分を振り返り、リズの教えを実践することで、さまざまな気づきを体得し、いかに自分らしい人生を手に入れることができたのかを中心に、ご説明したいと思います。
誰もが幸せを手に入れたいと思っています。ただ現実の生活では、なかなかうまくいかないときもあるでしょう。それでも、誰もが幸せになれるのです。
あなたがあなたの中にある〈本当の自由〉に出会い、思い通りの人生を生き、幸せになるために……。この本が、そのヒントになることを願っています。
北林はる奈