平成三〇(二〇一八)年三月、取材のために韓国の地を踏んだ私は、そこで繰り広げられている常軌を逸した「反日教育」に驚愕しました。忠清南道天安の「独立紀念館」では、女性がトラックに積み込まれ、性奴隷にされる場面をジオラマで再現しており、日本兵が朝鮮人慰安婦姉妹を無慈悲に射殺するシーンを三次元立体映像で放映しています。釜山の「国立日帝強制動員歴史館」では、朝鮮人少女を慰安所で日本兵が強姦する「再現ビデオ」まで公開しています。これらを子供たちに見せて日本への恐怖と恨みを植えつけているのです。
ソウルのターミナル駅である龍山駅前の広場では、「過酷な強制労働」で骨と皮になった「徴用工」の像が哀れを誘い、日本大使館前でも、釜山の日本総領事館前でも「慰安婦像」が「日本」を睨みつけています。テレビのスイッチをひねると「謝罪を受けないまま、また一人元慰安婦のハルモニが逝った」というニュースが流れてきます。
なぜ韓国人はこれほどまで、日本糾弾に狂奔するのでしょう。
実は韓国の文化には「過去を水に流す」という観念がありません。恨みは代々世襲され、仇の子孫を同じ目に遭わせるまでは晴れないのです。
従って「日本は、世界史上、稀に見る残虐な方法で韓国を植民地支配した」と信じている韓国の人々は、日本を一度植民地支配し、日本人を虐待することで祖先の恨みを晴らさねばなりません。
しかしながら、今の時代ではそれは不可能でしょう。その代わり、反日プロパガンダを世界中で展開し、日本の国際的地位を引きずり落とし、日本人を貶めることによって「復讐」を達成しようとしているのではないでしょうか。少なくとも彼らの深層心理には、間違いなくそれがあるはずです。
韓国の反日プロパガンダが日本への「復讐」である以上、どれほど謝罪し補償したところで、終わることはありません。彼らの「恨み」は世襲され、日本民族が世界の人々の侮蔑の対象となり、屈辱の中で衰亡するのを見届けるまでそれは続くでしょう。
平成二九(二〇一七)年八月に韓国で封切られた映画『軍艦島』も、フィクションと言いながら、その狙いが日本糾弾にあることは明らかです。
映画の冒頭場面では、朝鮮半島から運ばれてきた「徴用工」や「慰安婦」を日本兵が窓のない貨車に詰め込みます。ユダヤ人ホロコーストと並ぶ残虐行為を、日本が朝鮮人に対して行ったという印象を最初から観客の頭に刷り込むのです。
この映画では幼い女の子が慰安婦として性病検査を受けさせられ、朝鮮人徴用工は言語に絶する虐待を受けます。慰安婦が日本兵によって無惨に虐殺されるシーンも描かれています。
日本の敗戦が決定的となると、会社側は、虐待の事実を隠蔽するために、朝鮮人全員を殺害しようとします。ラストは朝鮮人徴用工と慰安婦が銃を取って日本兵を打ち倒し、船で軍艦島から脱出します。そしてスクリーンに次のような字幕が現れるのです。
「二〇一五年軍艦島はユネスコ世界文化遺産に登録された。現在日本政府は二〇一七年一二月までに強制徴用を含む各施設の歴史的事実を明らかにしなければならないというユネスコ勧告を履行していない」
つまり、この映画の内容は事実であり、現在に繋がるものであることを観客に明示しているわけです。
この映画は韓国内のみならずアメリカやカナダで既に上映されており、東南アジアでも上映されるそうです。日本人の残虐性を世界中にアピールして、その名誉を永遠に貶めることを狙っているのでしょう。うかうかしていれば日本は「ホロコーストを犯した野蛮国」にされてしまいます。早急にできる限りの手を打たねばなりません。
長崎では軍艦島(実際の名称は「端島」)で当時を生きた人たちが、この映画があまりにも歴史を歪曲しており、元端島島民のみならず日本人全体の名誉を著しく棄損していることに憤慨し、「真実の歴史を追求する端島島民の会」を結成して、端島の本当の姿を世界の人々に知ってもらうための活動を始めました。
本書では、そのような人々の証言や一時資料を基に、映画『軍艦島』の各シーン及びこの映画を作るにあたって製作者が参考にしたと見られる書籍類を検証し、そこにある歴史の捏造を一つ一つ明らかにしてまいります。
韓国側は「事実に基づいて作った」をうたい文句に、この映画を世界に配信していますから、それが全くの「デタラメ」であることが露呈すれば、「慰安婦強制連行」を含む韓国の「対日糾弾」全体に、世界の人々が疑問符をつけるでしょう。傷つけられてきた日本人の名誉を回復する道も、そこから開けるのではないでしょうか。
また本書の後半部分では、韓国で反日感情がここまで高まった過程を分析すると共に、「強制連行」そのものが歴史を捏造・歪曲した「まぼろし」であることを明確にしました。
軍艦島での「残虐行為」も「強制連行」も、捏造された「嘘」であることが分かれば、韓国の人々の心に巣くっている日本への「復讐心」も次第に消えてゆくでしょう。日韓の間に本当の信頼関係を築くことも可能となるはずです。そのために本書が少しでもお役に立てれば、これほど幸いなことはありません。
はじめに
第一部 ねじ曲げられた「軍艦島」の歴史
第一章 「軍艦島」の世界文化遺産登録
日本のマンハッタンだった「軍艦島」
登録を妨害した韓国
禍根を残した外務省の対応
軍艦島は有色人種全体の遺産
第二章 映画『軍艦島』の歴史歪曲
証拠がないから映画を作る
ホロコーストを彷彿させる冒頭
幼い女の子を慰安婦に
虐待される朝鮮人徴用工
針の山で虐殺される慰安婦
会社が朝鮮人全員虐殺を企図・銃撃戦で脱出
史実として世界に拡散
第三章『軍艦島は地獄島』子供向け本
『軍艦島──恥ずかしい世界文化遺産』
『地獄の島 軍艦島』
第四章 「軍艦島」で反日を煽る韓国マスコミ
EBSの偽写真
MBCの「軍艦島」特集
聯合ニュースのインタビュー記事
第五章 日本発の「軍艦島は地獄」情報
『軍艦島に耳を澄ませば』
『〈写真記録〉筑豊・軍艦島 朝鮮人強制連行、その後』
岡まさはる記念長崎平和資料館
第二部 軍艦島は「地獄島」ではなかった
第六章 朝鮮人虐待行為はなかった
「真実の歴史を追求する端島島民の会」設立
「おかあさん あいたいよ」落書きはヤラセだった
子供に重労働はさせなかった
朝鮮人坑夫には危険な作業をさせなかった
ツルハシでの作業はなかった
働いた時間は日本人も朝鮮人も同じ
日本人による朝鮮人への「暴行」はなかった
中央協和会の指導方針「体罰は指導者の力不足」
死亡率は日本人も朝鮮人も同じ
朝鮮半島出身者の遺骨は丁寧に扱った
第七章 「軍艦島から脱走」の真実
いろいろな人々が混在していた「軍艦島」
徴用工の脱走はあったのか
脱走を監視する体制はなかった
軍艦島は銃とは無縁だった
第八章 朝鮮人への差別はなかった
日本と朝鮮の子供たちは一緒に学んでいた
日本人も朝鮮人も同じものを食べた
住居にも差別はなかった
賃金上の差別もなかった
朝鮮人用の遊郭があった
中国人に感謝された医師
手を振って別れを惜しんだ両民族
映画『軍艦島』はレイシャル・ハラスメントの極致
第三部 狂気を帯びる韓国の反日感情
第九章 戦後歪曲された韓国の歴史
李承晩による歴史捏造
自国民虐殺事件を隠蔽
「徴用工への年金支払い拒絶」を隠した朴正煕
韓国で必要なのは「あるべき歴史」
歴史捏造で植えつけられた日本への「復讐心」
「お気楽な謝罪」が韓国人の怒りに火をつけた
第十章 日本への憎悪を煽る「反日施設」
独立紀念館
西大門刑務所歴史館
コラム@「西大門刑務所」とは
戦争と女性の人権博物館
国立日帝強制動員歴史館
戦犯企業と韓国が認識している企業名
大韓民国歴史博物館
記憶の場
第十一章 慰安婦像と徴用工像
日本公館前の「呪い」の像
韓国内は慰安婦像だらけ
海外で続々建てられる慰安婦の像と碑
新たに立てられ始めた「徴用工の像」
グロテスクな独善に走る人々
第十二章 日本企業に牙をむく韓国の司法
最高裁判所が「個人の請求権は有効」と判断
相次ぐ日本企業への賠償命令
文在寅大統領「徴用工南北共同調査を」
法律より「情」が優先の「情治国家」
原告が勝てば日本企業の資産を「差し押さえ」
第四部 「強制連行」のまぼろし
第十三章 徴用工は「強制連行」ではない
虚構の新造語「朝鮮人強制連行」
日本統治時代、朝鮮人は法的に優遇されていた
朝鮮半島からの労働力移入を制限していた日本政府
労働者募集は全て合法的に行われた
朝鮮での募集を解禁した“自由募集”
強制力のなかった「官斡旋」
「拉致してトラックにのせた」の元ネタ
国民の義務だった「徴用」
第十四章 ある朝鮮人徴用工の手記
食と住には文句なし
日本人と打ち解けた徴用工たち
女性に囲まれた楽しい職場
休日には名所旧跡めぐり
体力が落ちれば特別休暇
「飲む」「打つ」でにぎやかだった寄宿舎
別れを惜しんで帰国の途へ
第十五章 自ら日本に渡ってきた朝鮮人
大勢の朝鮮人が職を求めてやってきた
日本に憧れてきた人々の証言
戦時中の渡航者の六〇%が動員外
終戦時に日本にいた半島出身者の七八%が自由意志で来ていた
大量の人々が朝鮮半島から密航してきた
差別はなかったと証言する朝鮮人
コラムA渡航を食い止めるだけでも、ひと仕事
第十六章 高額を稼いでいた朝鮮人労働者
炭鉱で月給三〇〇円
送金で「両班」となった留守宅
殉職者へは手厚い弔慰金
日本にいれば飯場でいくらでも稼げた
コラムB期限終了後も日本で稼ぐ
第十七章 「慰安婦強制連行」の虚構
なぜ一件も抵抗した記録がないのか
こうして創作された「慰安婦強制連行」
朝日新聞の情報操作
元慰安婦を口説き回った反日日本人弁護士
慰安婦強制連行は吉田清治の捏造だった
河野談話で「性奴隷国家」となった日本
日本への悪意に満ちた「クマラスワミ報告書」
「河野談話」は「河野談合」だった
強制連行を示す証拠は何もない
「連行」したのは朝鮮人女衒
朝鮮人を含む慰安婦の総数は五〇〇〇人前後
慰安婦は性奴隷ではなかった
現在進行中の女性の人権侵害こそ糾弾すべし
第十八章 補償問題は解決済
「日韓請求権並びに経済協力協定」で最終決着
協定で放棄した日本資産一六兆円
コラムC李承晩ライン
北朝鮮の分もまとめて韓国に支払済
日韓の対立は共倒れを招く
共に戦った記憶を取り戻そう
コラムD動員されて日本に残ったのは二四五人のみだった
おわりに
参考・引用文献
自分の体に流れる血は祖先から受け継いだものです。その血がどのようなものかによって、子孫は大きな自信を持つこともあり、逆に委縮した人生を送ることもあるでしょう。
大東亜戦争で日本に軍事的に勝利したアメリカは、二度と再び日本が立ち上がれないよう、日本の伝統的精神の破壊を目論みました。そのために日本の歴史を書き換えて「お前たちの父祖は他国を侵略し、膨大な被害を与えた」と学校で教えさせ、子供たちから日本人としての自信と誇りを奪い去ったのです。その結果、今や大多数の日本国民は祖国に対する誇りも愛情も持てず、まして自分で国を守るという意識など皆無となってしまいました。
さらに時間の経過と共に、日本人の自虐意識は「自家中毒」し、リベラルを名乗る勢力は「日本さえ戦争を起こさなければ、アジアの平和は保てる」と信じて、国防努力を全面否定し、自衛隊を憲法に明記することさえ反対しています。彼らが「原発即時破棄」など非現実的主張を繰り返して、ひたすら日本の国力を削ぐ方向に走るのは、「世界はグローバル化しており、日本のような侵略国はむしろ解体してしまったほうがよい」という、潜在的「亡国願望」があるからに違いありません。アメリカが「日本弱体化」のために行った「歴史の書き換え」は、その期待をはるかに上回る「成果」を上げたのです。
現実の国際情勢を見れば、中国の軍事的膨張が世界を脅かしており、経済面では「自国優先主義」が台頭しています。国どうしが力づくで国益を奪い合う「弱肉強食の世界」に戻りつつあるといっても過言ではなく、日本一国が平和ボケしているわけにはいきません。しっかり現実を見据え、国を守る努力をしなければ、日本民族は主権を失って他国の奴隷にされてしまいます。
引きこもりや人生を簡単に投げてしまう若者が増えたのも、歴史を歪められた結果ではないでしょうか。「お前は殺人者の子孫だ。繰り返さないよう気をつけろ」と自虐的教科書で教えられた子供が、自分に自信を持って前向きに生きていけるはずがないでしょう。社会の荒波に耐えきれず、家に引きこもり、あるいは刹那的享楽に溺れ、退廃へと流されて行く多くの子供たちの姿を、私たちは目の当たりにしています。
しかし彼らも、自分たち日本人の祖先が有色人種の中で唯一近代化を成し遂げ、白人による世界征服を瀬戸際で阻止し、地球上に今日の人種平等の世界をもたらしたことを知るならば、きっと立ち直ってくれるに違いありません。
自分の体に流れる日本人の血に誇りを持ち、人生の壁に突き当たっても「なにくそ俺は日本男児だ」「大和撫子だ」という強い気持ちでそれを乗り越えて行けるでしょう。「自分の国は自分で守る」という気概も自然に生まれてくるはずです。
歴史に学ぶことの大切さがそこにあります。そして日本の歴史は、そのありのままを知るだけで、祖先への感謝の気持ちと、日本に生まれた喜びを持つことができるのです。
しかしながら、その誇るべき日本の歴史が、今再び韓国や中国によって奪われようとしています。それはかつてのアメリカによる歴史書き換えの比ではありません。日本民族を永久に貶め、屈従させるための謀略であり、さらに韓国はそこに「復讐」の意味さえ込めているのです。手をこまねいていれば、私たちの子孫は他国に支配され、屈辱の中で衰亡することになります。
韓国・中国による史実の歪曲・捏造に毅然と対応して、日本の歴史を守り抜き、日本人の名誉と誇りを取り戻すことこそ、今を生きる私たち世代の最大の責務ではないでしょうか。