日本が危ない!一帯一路の罠

マスコミが報道しない中国の世界戦略

宮崎 正弘 著 2019.01.13 発行
ISBN 978-4-8024-0073-2 C0031 四六並製 248ページ 定価 1650円(本体 1500円)

「プロローグ 蜃気楼だった一帯一路の夢」より一部抜粋

日本が危ない!一帯一路の罠

筆者は多くの現場を見てきた。陳腐な表現だが、見ると聞くでは大違いである。最初は中国全33省すべてを回り、長距離バスに揺られて奥地、それこそロシア国境の満洲里、黒河からベトナム国境、ラオス国境奥地にも足を延ばした。次にASEAN10カ国と加盟申請中の東ティモール。そしてインド経済圏の7カ国(ブータン、モルディブも含む)、同時にロシアならびに旧ソ連衛星圏だった東欧とモンゴルなど合計30カ国。合わせると48カ国になるが、これら全てを回るのに10数年を要した。実際に現場に立って目撃したので、自信を持って読者に報告ができる。

いったい習近平の唱える「一帯一路」とは何だったのか。
かの鄭和艦隊(世界中を航海してデモンストレーション効果だけで終わり、その後、明は鎖国)の二の舞を演じて、「中国の威光」を瞬間的に見せつけ、やがて虹のように消滅するだけなのか。
たしかに蜃気楼を見た。けれども同時に「はい、さようなら」という結果が透けて見えてきたのではないのか。一帯一路は「世界中にゴーストタウンを輸出した」と後世の歴史家は総括することになりそうである。
この人類はじまって以来の壮大な「快挙」(愚挙)は近いうちに海の藻屑となるだろう。

目次


プロローグ 蜃気楼だった一帯一路の夢
貿易戦争は「始まり」に過ぎない
宣戦布告はすでになされた
中国は世界で四面楚歌
西側のアキレス腱を衝け

第1章 傲慢チャイナの暴走は続く
アフリカに3年間で7兆円弱?
国連の檜舞台でも中国の影は薄くなった。
パナマ運河のすぐ北に米国の安全保障を脅かす運河を造成するって本当か?
習近平の「一帯一路連敗」

第2章 トランプのチャイナ・バッシング
GAFAが米国経済の難題だ
対中政策を変更する
断乎、台湾の民主主義を支持する
だから関税戦争は始まりに過ぎなかった
米国企業の多くは中国撤退を考慮
アメリカ経済は順風満帆なのか
ロシアという撹乱要素
2024年には初の女性大統領が誕生か

第3章 アジアに拡がる反中運動
中国と癒着した腐敗政権が転んだ
オランウータンの保護島で考えた
中国とパキスタンの「友誼」関係は変化。緊張状況にある
まさか「反中国ドミノ」がアジアでおこるとは!
フィリピンも親中姿勢が揺らぐ
トランプは韓国を見限った
米議会に強固な台湾擁護法案が提出され、北京は大あわて
東ティモールはジャイカの支援でインフラ整備中、隙間をぬって中国が大々的に進出
日本がカネを出し、中国が工事を請け負う
孤立するミャンマーに入り込んだ中国

第4章 世界各地で中国批判の大合唱
ギリシアのピレウス港の次はイタリアのトリエステ港だ
バルカン半島は火薬庫
EU本部で考えたこと
欧州各国にも反中の風
スペイン、オランダ、そしてポルトガルは中国の投資に前向き
米国議会、2022年の北京五輪の開催を見直せとIOCに勧告
作戦がまずいと戦いに敗れる
アフリカへ
国内で貧乏な中国人が生活に苦しんでいるのに?
中東へも
産油国からの輸入ルートは確保されたのか
アジスアベバ─ジブチ間の電化鉄道も怪しくなってきた

第5章 中国国内は矛盾の連続爆発
インターポール総裁・孟宏偉事件は「第2の王立軍」
有名人からは脱税容疑で献金を急がせ、民間企業からも税金を搾り取ろう
「行方不明事件」は枚挙に暇がない
ウイグル人は100万人が行方不明
中国の「バブル紳士」たちの運命
宗教の爆発も始まる
中国最大の橋梁「港珠澳大橋」は開通したことになった
言語、偽札、報道統制と難題だらけ

第6章 日本はどうするのか?
安倍首相訪中の「競合から協調へ」は日米同盟を亀裂させないか?
日本も中国の植民地入りするのか?
移民排斥の欧米、増加策の日本
「危機管理」の見本は、むしろ中国が示したのではないのか
中国撤退の決断
中国は巧妙な規制をかけ、外国勢の開発を義務づける。それは磁力か、魔力か?
事実を伝えず、相変わらず日本のメディアの唐変木
黒船ならぬ「紅船」がやってきた。
したたかさはインドに学べ

エピローグ だから一帯一路は末路
中国は「世界のゴミ箱」
日本は本当に自由なのか?

補遺 南太平洋でも対中国との戦いが始まった
パプア・ニューギニアでAPEC、西側の対中「巻き返し」が本格化
ニュー・カレドニア住民は「独立」に反対票を投じた




 

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