ペットたちは死んでからが本領発揮!

ゆるりん坊主とネコ如来の禅問答

塩田 妙玄 著 2020.11.01 発行
ISBN 978-4-8024-0093-0 C0011 四六並製 288ページ 定価 1760円(本体 1600円)



私たちが人生や命、他者との関わり、心からの感謝や恩恵を本当に感じるのは、うちの子の病気や死を通してだ。
うちの子の病気や死を体験して、私たちは様々なことを苦しみの中で泣きながら学び始める。
自分一人で生きているのではないということを、ただ愛するという幸せがあるということを。
あの子が生きているときには決して学べなかったことを、あの子の死を通して私たちは学んでいくのだということを。

はじめに より

ねこ神さまとねこおやじ

高野山真言宗僧侶、心理カウンセラー、ときどき執筆家、そして動物保護施設の手伝いをしている塩田妙玄です。このたびは数ある書籍の中から、拙僧の本をお選びくださりありがとうございます。
みなさんが泣きながら天に送ったあの子たちが、大好きなママやパパに何か大事なことを伝えたくて、本書とご縁を結んでくれたのかなぁ……と思うと、嬉しいような切ないような、なんとも甘酸っぱい気持ちになります。
私はペットの生や死に関しての書籍を、執筆・発信するとともに、みなさんと同じく、施設にいる捨てられた子たちのおっかちゃんでもあります。
うちの子が病気になっては、その治療法に逐一悩み、末期の点滴ごとに頭を抱え、うちの子が苦しむと我を忘れてパニックになる。そして天に送るときは、やはりなんとも言えない思いに滂沱の涙を流しています。
今、私は東京の「妙庵」で、個人カウンセリングとペットのご供養、算命学・心理学・生理栄養学の講座をしています。僧侶になる前職のトリマー、ペットライターの知識を生かし、また東京の河川敷近くにあった愛さん(愛称)という高齢男性の旧施設での動物たちのレスキュー体験から、ペット関係の講演会などのお勤めもしています。
愛さんの施設が自然豊かな三重県に移転したあとも、保護施設のお手伝いを続けているという、数珠よりもうんち取りスコップを持っていつも走り回っている、なんだか落ち着かない生活をしています。

大事なうちの子を天にお返しした、たくさんの飼い主さんとお会いするたびに、みなさんの心の絶叫が聞こえてきます。
「会いたい! もう一度」「抱きしめたい! もう一度」「なんでこんなに苦しいことがあるの!?」「もう会えない。悲しい、辛い、心が千切れそう」「もう笑うことはない。もう人生に何も喜びがない」「人生が真っ暗になって何も見えない」
 そんなママやパパから懐かしいあの子との物語を聴き、ときには一緒に涙し、ときにはご一緒にご供養のお経をお唱えし、みなさんのおうちの子が、私を伝達のパシリに選んでくれた光栄に報いるよう、今日も施設の子のお世話に明け暮れています。
 そんな施設での、たくさんの命のやり取りを私なりに咀嚼して、また量子力学・生物生命学・原始仏教などの書物から得た気づきを織り込み、本書を『ペットがあなたを選んだ理由』の第3弾として、上梓しました。
 本書は死を多角的にとらえ、様々な角度から思考し、私たちが持つ死の概念を壊し、またあらたに構築する。生命の基本であるスクラップ&ビルドをテーマにしています。

本書をお読みくださった方が、「死」という正解が見えない永遠の問いに対して、目隠しをせず、お友達やご家族と語り合い、自問自答するきっかけになったらいいな、と願っています。
どうぞせっかくのご縁です。きっとあなたのあの子が結んでくれたご縁です。今まで思い込んできた常識や道徳の概念をそっと外し、しばし妙玄ワールドにお付き合いください。

ようこそ妙玄ワールドへ



目次


ごあいさつ

第1章 私たち飼い主はあの世の目を持つ

第2章 初めての子からは無知を学ぶ

第3章 野生が教える命のサイクル

第4章 スペシャルな子が導く人生の秘密

第5章 〈私小説〉猫如来との禅問答

第6章 うちの子たちはこの世にいる意味を教える

第7章 怒りを愛に転換する世界へ

第8章 五感で叶う「もう一度会いたい」

第9章 死に光を当てるとき

あとがき
参考書籍




 

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