前著『五つの傷 癒しのメッセージ』を書いた時、これが私の最後の本になるだろうと思いました。というのも、そこには、私が言うべきことがすべて書かれていたからです。しかし、未来のことは本当に分からないものです……。ということで、この本(フランス語版)が私の二六冊目の本になりました。
私がいつまでも若いのを見て、「どうして? その秘訣を教えて!」と、よく言われます。私は、いつも、「私の教えを実践しているだけよ」と答えるのですが、それでは不充分なようです。なぜなら、同じ質問が──特に私が七〇歳になって以来──しばしば繰り返されるからです。そこで私は、この本を書くことにしました。
『五つの傷』の続編である『五つの傷 癒しのメッセージ』を書く前にも、似たようなことが起こりました。人々は私に、「『五つの傷』が好きで、よく読むのだけれど、ちっとも癒しが起こらないんです。だから、癒しに関する本を書いてください」と、しょっちゅう言うのです。それに対して、私は、「『五つの傷』の最後のところ──そこでは〈癒し〉について詳しく書かれています──を読み直して、真の愛に基づく法則を実践すれば、傷が徐々に癒されますよ」と答えるのでした。しかし、それだけでは充分でないことが、やがて分かりました。なぜなら、同じ質問が、何年にもわたって繰り返されたからです。
この本を書く前も、新たに言うべきことはもうないだろう、と本気で思っていました。そして、ある日、ついにこの本を書き始めた時、私は大きな驚きを感じたのです。読者に伝えるべきことが、まだまだたくさんあったからです。
私たちは、スピリチュアルなことを、繰り返し聞く必要があります。というのも、エゴはとてもずるくて、私たちにスピリチュアルなことを間違って解釈させたり、理解したことをすぐに忘れさせたりするからです。エゴは、私たちが「意識化」を決意したことや、私たちが目的を設定したことを、実に巧妙に忘れさせるのです。だからこそ、この本は、きっと役に立つだろうと確信しました。
私の他のすべての本でそうしたように、私はこの本においても、打ちとけた口調であなたに語りかけ、あなたが、「エゴ」ではなく、「ハート」で読むことができるように工夫を凝らしました。
この本は、あらゆる年代の人たちに向けて書かれていますが、特に、年を取っても、いつまでも元気でいたいと考えている若い人たちに向けて書かれています。いつまでも若くあるためには、若い時に決意していろいろと実行する必要があるのです。七〇歳になってから決意したのでは、絶対に遅すぎるでしょう。
あなたは、七〇歳になったらどんなことをしたいか、考えたことがありますか? もし考えたことがないとしたら、どうぞ、あなたのまわりをよく見てください。その人たちの年齢になった時に、あなたもそうなりたいと思うでしょうか? あなたから見て、気の毒だと感じる人たちがいるでしょう。あなたもそうなりたいですか?
あなたがどうなりたいかは、自分で選ぶことができます。選ぶとは「決断」することです。そして、決断しない限り、なにごとも実現しません。あなたが思いを行動に移した時、あなたは本当の意味で「決断」したことになるのです。
今後の年月のあいだにしたいことを、すぐリストにするようお勧めいたします。そうすれば、あなたの願うことが、いっそうよく実現するでしょう。さらに、この本の中で見つけた「アイディア」や「提案」が気に入ったら、ぜひそれらをリストに付け加えてください。そして、そのリストを、よく見えるところに貼っていただきたいのです。それをしょっちゅう見ることで、それがあなたの一部となり、実践に移すことが容易となるでしょう。それを見るたびに、あなたの「潜在意識」が、あなたの望むイメージを受け取るからです。
本書の最後のところに、私がこの本全体を通じて勧めている、具体的で実践的な方法をまとめてあります。必要に応じて、ぜひそれらを参照してください。
私はここで断言しておきますが、きっとあなたのエゴは、うるさく口出ししてきて、「そんな方法はリズだけに当てはまるのであって、あなたにとっては難しすぎる。あなたには、そんなことはとてもできない」とささやくはずです。しかし、何でもいいから実践してみない限り──たとえば、新しい食べものに挑戦すること──、それが自分に合うかどうかは分からないものです。
あなたにとって非常に重要な意味を持つ何か、特に、思ってもみなかった結果をもたらすであろう何かに気づけないとしたら、それは本当に残念なことでしょう。
本書の装丁のために、私はまったく修整していない写真を使いました。広告用の写真には修整が施されることがほとんどですが、この本のテーマに鑑みて、修整しないことを決意したのです。
次に掲げるのは、作者不詳の文章です。私はこの文章から、多くのインスピレーションを受け取りました。あなたにも、きっと、考える材料をいろいろと与えてくれることでしょう。
年を取る? それとも老いる?
仕事を引退したあと、ある人たちは、ただ単に年を取るだけですが、
他の人たちは、確実に老いてゆきます。
年を取ることと、老いることは、まったく違います。
年を取る人は、スポーツをし、さまざまな発見をし、旅行に行きます。
一方、老いる人は、何もせずに漫然と過ごします。
年を取る人は、愛を与えます。一方、老いる人は、嫉妬をし、恨みを溜め込むだけです。
年を取る人は、将来のための計画を立てます。一方、老いる人は、過去を回想するだけです。
年を取る人は、明日のことを考えます。一方、老いる人は、昨日のことしか考えません。
年を取る人は、きたるべき日々を楽しみにします。
一方、老いる人は、残されたわずかな日々を思って悲しくなるだけです。
年を取る人は、楽しい夢をたくさん見ます。一方、老いる人は、悪い夢ばかり見ます。
さあ、あなたは、どちらを選びますか?
それは、あなた次第です。
作者不詳