狙われた沖縄

真実の沖縄史が日本を救う

仲村 覚 著 2021.05.25 発行
ISBN 978-4-8024-0118-0 C0021 四六並製 232ページ 定価 1540円(本体 1400円)

政治学者ロバート・D・エルドリッヂ氏推薦!
全国民必読! 誰よりも故郷の沖縄を心配している
筆者が解明した本土と沖縄の分断工作の全容

はじめに

狙われた沖縄 真実の沖縄史が日本を救う

本書は、沖縄問題の全貌を綴った前著『沖縄はいつから日本なのか』の続編です。
前著のまえがきでは、「民族とは歴史と使命を共有した運命共同体」であり、「沖縄問題の解決とは、分断された沖縄の歴史を日本民族の歴史として統一していく運動だ」と著しました。
今回は前著より踏み込み、言語、信仰、琉球国の国家形成プロセスまで言及し、沖縄の歴史を日本民族の歴史として更に統一をすすめることができたと思います。
沖縄問題を一人の体に例えると、内臓疾患など目に見えない部位が病気になったとき、体で最も免疫力が下がった部位に症状が出ますが、日本の場合は沖縄がその部位にあたるといえます。つまり、沖縄問題を分析すると、日本がどのような病気になっているのかがよく見えてくるのです。
前著に続き、本書も安全保障問題、沖縄の歴史戦、沖縄の真実の歴史を織り交ぜて執筆しました。その中で前の二つが日本の病状分析、後者がその処方箋と言えるでしょう。
日本の安全保障環境はこれから急速に厳しくなることが予想されます。沖縄や台湾で軍事紛争が起きた直後、ウチナーンチュのアイデンティティを揺るがすような様々な撹乱情報がマスコミを介して降り注いでくると思います。
また、沖縄県外では、沖縄の人たちは本当に日本人なんだろうかと首を傾げたくなるような情報が出回ることが予想されます。
そのような時に備えて、是非とも本書を手元に置き、ことあるごとに、読み直していただければと願っております。そうすれば、必ず日本人としてのアイデンティティと日本民族の絆を守り通すことができるものと確信しています。





目次

はじめに

一章 沖縄最大の危機「国連による先住民族勧告」
沖縄県民も理解できない国連の先住民族勧告
 米軍基地が小さく見える大問題
 全ての活動は「琉球人差別」の火種をつくるため
 「安保闘争」から「反差別闘争へ」
 琉球人もヘイトスピーチの対象へ
 勧告の日本に与える影響とその対策案
国連発の琉球人大虐殺プロパガンダ
 ロバート梶原氏による国連人権理事会での発言
 中国メディアのプロパガンダとそっくり
 ロバート梶原氏の不可解なルーツ
 全国の地方議会でも展開される隠れた沖縄切り離し工作
 外堀は埋められ、内部からも侵食されている沖縄の歴史戦
アイヌ新法成立で大きくなる「琉球独立工作」の火種
 北海道だけの問題じゃないアイヌ新法
 アイヌ新法と琉球独立工作は繋がっている
『週刊金曜日』への反論
 「沖縄の人々は先住民族」を論破する
 琉球国独立偽装は、薩摩の外交戦略
 仏の軍事圧力への対処策
 島津斉彬の幻の軍艦購入計画
 「薩摩VS琉球」ではなく「薩摩&琉球」の視点で
二章 沖縄は「日本」である
沖縄の言語は紛れもなく「日本語」
 日本の古語を残す沖縄方言
 沖縄方言のルール@母音は長母音を除いて「あ」「い」「う」のみ
 沖縄方言のルールA形容詞はすべて「さん」で終わる
 沖縄方言のルールB動詞は「いん」「っちゅん」で終わる
 九州地方の方言との比較
 沖縄方言と奄美方言の比較
 日本の方言の系統図
 那覇を中心にした方言周圏論
沖縄の神社は誰がつくったのか
 本土と地続きといえる沖縄の神社の歴史
 波上宮が祀る神様
 熊野信仰とは
 補陀落渡海とは
 沖縄の仏教史
 沖縄における神仏分離令と檀家制度
琉球国は誰がつくったのか
 言語、信仰、文化、遺伝子が一致しても納得できない「琉球独立論者」
 日本に浸透している琉球国華夷秩序史観
 消されつつある日琉同祖論
 沖縄を日本から切り離す「琉球大交易時代」というトリック
 すり替えられた万国津梁の鐘の銘文の主旨
 明国の琉球三山への異常な待遇策の謎
 牧港で得た鉄で民心を得て中山王となった察度
 与那原で得た鉄を元に台頭した尚巴志
 琉球国形成を促した倭寇の取り締まり
 日宋貿易と琉球交易の隆盛
 「陸の歴史」だけでなく「海の歴史」も学ぶべし
三章 首里城を正しく復元せよ!
水面下でくすぶる危険な「首里城所有権移転論」
 首里城の復元が政治利用される!
 首里城の「所有権移転」こそ分断工作の罠である
 「自己決定権の回復」という詭弁に騙されるな
首里城の守護者たちが教えてくれる「正しい再建」
 「首里城復元の功労者」山中貞則
 首里城取り壊しを阻止した偉人たち
 幾多の困難を乗り越えた「昭和の大修理」
 首里城はいかにして建築されたのか
 沖縄だけの力で首里城の正しい復元は不可能
四章 沖縄の「今そこにある危機」
尖閣諸島もう一つの危機!「四つの原則的共通認識」は狡猾な法律戦!
 中国の嘘の背後には「戦略」と「意思」がある
 「四つの原則的共通認識」とは何を意味しているのか?
 外務省の無反応が招く日本の危機
 どこまでも甘い外務省の現状認識
 既に主張し続けていた「カイロ宣言」「ポツダム宣言」を根拠にしたロジック
 もう一つのシナリオ、東シナ海・尖閣諸島共同開発・管理
 日中友好運動はサンフランシスコ講和条約体制の打破
 国防は安全保障だけにあらず
沖縄と秋田「落選の法則」が教えてくれた自民党に忍び寄る危機
 沖縄は本当に「革新地盤」なのか?
 安全保障が争点になったときに自民系候補が落選する
 有権者に説明できるように、候補者全ての安全保障に対する素養を上げよ
香港問題で沖縄県民の目覚めを阻止する沖縄メディアのトリック
 沖縄メディアが行った巧妙な論点ずらし
 中国の人権侵害にはだんまりな人権活動団体のダブルスタンダード
 沖縄こそ民主主義の防波堤
五章 「祖国復帰の先導者」大濱信泉
沖縄に「日本人として」の教育を取り戻す
 いまなぜ「大濱信泉」なのか
 ダレス全権への提言
 教育権返還の提言
 日本本土と同一の教育基本法が制定された琉球政府
南援会長として沖縄の諸問題に取り組む
 南援の会長に就任する
 正しい世論の形成
 戦後の日米共同声明での沖縄の位置づけ
祖国復帰に回り始めた歯車
 祖国復帰と日本政府の沖縄財政支援
 佐藤首相の沖縄訪問
 教育権分離返還論
 教育権分離返還を断念させた佐藤首相の大津発言
佐藤栄作首相の沖縄返還交渉のブレインとして
 返還交渉の下地づくりのための訪米
 大濱の民間外交と「沖縄問題等懇談会」の誕生
 大濱が作成した沖縄返還折衝の草案
 回り始める復帰準備と白紙状態の基地のあるべき姿
 「沖縄軍事基地問題研究会」
 日米京都会議
 ついに実現した沖縄県祖国復帰
最後の大仕事「沖縄海洋博」
 沖縄国際海洋博覧会会長に就任
 物心両面の祖国復帰を目指した海洋博事業
 大濱の悲願、平和祈念堂の建設
 屋良朝苗知事の追悼の辞

おわりに

おわりに

本書の最後に沖縄県祖国復帰で佐藤栄作首相の沖縄返還交渉のブレイン役だった、早稲田大学第七代総長の大濱信泉先生の功績を取り上げました。私は全国民、特に政治と防衛を担っている皆様には、日本にとっての沖縄県祖国復帰とは何なのか改めて考えていただきたいと願っています。
沖縄県祖国復帰の前提には二つの出来事があります。一つは、敗戦、もう一つは異民族による分断統治です。この二つの逆境から這い上がって、沖縄が日本に戻り、日本民族が再統一を果たしたのが沖縄県祖国復帰ではないでしょうか?
歴史にはいくつか種類があります。個人の歴史、会社や地域社会の歴史、そして国家、民族の歴史などです。それぞれの歴史は当然共有するべき範囲が異なります。
では、沖縄県祖国復帰は地域社会の歴史なのでしょうか? それとも日本民族の歴史なのでしょうか?
私は、声を大にして「日本民族の歴史だ!」と言いたいと思います。それも世界に誇る日本の歴史です。なぜなら、敗戦による失った領土をわずか二十七年で、それも軍事力ではなく交渉により平和裏に取り返すことができたのは、人類史上例をみない快挙だからです。
ややもすると、米国側から沖縄を日本に返したように勘違いされている方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。米軍は、沖縄の半永久的な統治を考えており、沖縄民政府の旗を作成したり、琉球語でのラジオ放送を要求したり、沖縄の方言による教科書の作成を求めていたりしたのです。その圧力を跳ね返して実現したのが沖縄県祖国復帰であり、その原動力は、「日本人としての矜持」以外に考えられないのです。
是非とも、毎年五月十五日は、沖縄県祖国復帰に尽力された沖縄の先人に思いを馳せ、その日本人としての矜持を学び、共有していただきたいと願っております。そして、それは、必ずや多くの日本人の中にある日本精神を呼び戻し、本来の日本のあるべき姿が蘇るものと信じています。





 

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