普及版 大東亜戦争は日本が勝った

「太平洋戦争」はアメリカの洗脳だった

ヘンリー・S・ストークス 著 藤田 裕行 訳 2021.06.16 発行
ISBN 978-4-8024-0122-7 C0021 新書版 304ページ 定価 1320円(本体 1200円)


共産党などの左翼は、大東亜戦争は「侵略戦争」であったと言う。
そうであろうか? 史実を検証すると、そこには明らかに「アジア解放戦争」の側面が見て取れる。
アメリカの侵略戦争や、大英帝国の植民地支配での戦争とは、明らかに違った姿を現じている。
私は、大東亜戦争を日本がなぜ戦ったのか、その結果、何が世界に起こったのかは、世界文明史的な俯瞰をもってしてはじめて、明らかになるものだと、そう思い始めた。
世界文明史の中で、大東亜戦争を位置づけようというような野心的な試みは、一冊の本で果たせるものでもないが、その第一歩を英国人ジャーナリストの私が切り開くことで、世界中に多くの賛同者が出てくると、そう確信している。

― ヘンリー・スコット・ストークス


普及版刊行に寄せて

普及版 大東亜戦争は日本が勝った

本書の著者、ヘンリー・スコット=ストークス氏は、昭和三十九(一九六四)年、先の東京オリンピックが開催された年に初来日した。世界一の経済紙『フィナンシャル・タイムズ』の東京支局を立ち上げるためだった。
ホテル・オークラに陣取った弱冠二十五歳の英国人を、黒塗りのダイムラーでわざわざ迎えに来たのが白洲次郎だった。それ以降、よく高級日本料亭に連れていかれたという。ヘンリーは白洲について、「傲慢で威張ってばかりいたから、好きになれなかった」と評している。
当時、若きヘンリーの家を借りる手配をしてくれるなど何かと面倒を見てくれたのが、麻生和子だった。言わずと知れた吉田茂元首相の娘である。彼女が実業家の麻生太賀吉と結婚して生まれたのが、現財務大臣の麻生太郎だ。ロンドンのジャパン・ソサエティの会長を務めたクリストファー・パーヴィスは、二人の共通の友人でもある。
しかし、来日当時のヘンリーの麻生和子評は、「閉口するほどお節介なオバサン」だったそうだ。
このように、来日当初からいわゆる「上流階級」と接点があったのは、「ヘンリー」という王族風の名前だけでなく、氏の家柄に由来する。ヘンリーの母のエリザベス・モーランドは、女性として初めてオックスフォード大学に入学を許された人物で、その従兄弟のオスカー・モーランド卿は、一九六〇年代に駐日英国大使を務めた。
しかしながら日本の皆様には、ヘンリーの愛する一人息子であるタレントのハリー杉山氏のほうがよく知られているかもしれない。ハリー氏によると、その先祖は七〇〇年以上前に即位した「第五代イングランド王エドワード一世」で、「トランプで言うハートのキングのモデルと言う説もあります」とハリー氏の公式ブログ(二〇一四年十一月二十三日付記事)に記されている。
ヘンリーは来日後、英『タイムズ』紙の東京支局長を務め、その『タイムズ』紙の人選により、『ニューヨーク・タイムズ』紙の東京支局長も務めた。
ヘンリーは「三島由紀夫と最も親しかった外国人ジャーナリスト」として知られているが、それ以外にも日本及び世界中に多くの人脈を持っている。

本書の親本にあたる『大東亜戦争は日本が勝った』は平成二十九(二〇一七)年に刊行されると、大きな反響を呼びベストセラーとなった。今回「普及版」として刊行されることによって、さらに多くの方々に幅広く読んでいただきたいと心から願っている。
タイトルの『大東亜戦争は日本が勝った』は、日本史の出来事というよりも、「イギリス史上に起こった出来事」として、ヘンリー自身が結論付けたものだ。
いま、「日本史を世界史と比較して理解しよう」という動きが、学校の教育現場で起こっている。具体的には「日本史」と「世界史」を相互に関連付けて学ぶ「歴史総合」という授業が、令和四(二〇二二)年より高校の新たな必修科目として導入されることになった。
また、このたび「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界遺産登録の見通しになったが、こうした縄文の文化は、二十一世紀に生きる日本人の祖先の遺したものであり、このように、日本では太古と現代はひとつの歴史で繋がっている。ところが、三千年前から北アメリカに存在した「アデナ文化」の痕跡も、四千五百年前のイギリスの遺跡「ストーン・ヘンジ」も、現在のアメリカやイギリスの歴史からは完全に分断されてしまっている。
この、古代からずっと歴史が分断されることなく今日まで続いている日本の素晴らしさをヘンリーは実感し、その来歴を国民が総力をあげて護ろうとすることに大きな理解を示している。
ヘンリーは本書で、「日本は世界で最も古い歴史──数万年の昔から一つの民族として神話に由来する“万世一系の天皇”を戴く国という他に類例のない来歴を有している」と訴える。
本書は、日本が総力をあげて戦った「大東亜戦争」の意義を、世界史(特にイギリス史およびアメリカ史)と比較しながら、重層的に語っている。是非読者の皆様も、重層的な視点をもって世界史の中で日本史を捉えていただきたい。



目次


普及版刊行に寄せて
はじめに

第一章 日本が戦ったのは「太平洋戦争」ではない!
日本は本当に敗戦国だったのか?
大英帝国を滅ぼしたのは誰か?
大東亜戦争に勝ったのは日本だった!

第二章 「太平洋戦争」史観で洗脳される日本
大東亜戦争の果たした世界史的な偉業
日本が閣議決定した正式な戦争名を、日本のメディアが使えない
アジアを日本が侵略した?
『人種戦争』が描く、大東亜戦争の姿
世界で最初に、人種平等を訴えた日本
有色人種に同胞意識を持っていた日本
『人種戦争』による日本の戦争の大義
中国人は、日本軍を救世主と崇めた
日本軍を手助けし、イギリス人と戦った中国人
全く逆転した人種の立場
日本はアジアの「希望の光」だった

第三章 日本は「和」の国である
日本人は、対立概念を超克しようとする
神道は「エコ信仰」──二十一世紀の「世界の信仰」のモデル
『古事記』に描かれた宇宙創始の世界
日本では、神々も相談して物事を決める
日本に民主主義をもたらしたのは、アメリカではない!

第四章 世界に冠たる日本の歴史
古代からひとつの王朝が続く日本
産経新聞の『歴史戦』コラムで取り上げられる
物事は、見る人によって違って見える
日本を西洋の尺度で測った愚かさ
日本が世界に誇れる「万世一系」
天皇によって一つの王朝を続けてきた日本
先史時代の文明が断絶されているアメリカ
地政学的に似ている日本とイギリス
四千五百年前の遺跡「ストーン・ヘンジ」
五千五百年前に地上六階建てのマンションと同じ高層建築物を建てていた日本
世界四大文明よりも古い日本の文明
旧石器時代から侵略されることなくずっと民族が続いて現在に至る国
日本には、世界を驚愕させる古代からの来歴がある
神武天皇は、実在した!

第五章 オリエントにあった世界の文明と帝国
千年、万年のスパンで見なければわからない
日本文明を独立したものと位置付けたハンチントン
かつて偉大な文明は全てオリエントにあった
混迷するイラクは、聖書の地
古代メソポタミアの民族興亡
独立し安定していたエジプト文明
ギリシア文明は、西洋の文明にあらず
ペルシア戦争とギリシア文化の広がり
古代ローマとエジプトの接触
短期間に巨大帝国となったイスラム
「ユーラシアの覇者」モンゴル帝国
インド・ムガール帝国の興亡

第六章 侵略され侵略するイギリスの歴史
侵略されることから始まるイギリスの歴史
ブリタニアの時代のブリテン島
イギリス人の神話としての『アーサー王物語』
ブリテン島におけるキリスト教の歴史
イングランド王国の誕生とその波乱の歴史
ブリテン島をめぐる四カ国の歴史
ノルマン朝とイングランド王ヘンリー一世
イギリスとフランスの関係を語る「二重王国」と「百年戦争」
大航海時代の幕開け
帝国を築く礎となった海賊たち
清教徒革命の勃発
イングランド共和国の樹立
軍を抑制し始めた議会
王政復古とその条件
なぜ王政は、危機に陥ったのか
国王の権力と暴力革命を抑制したイギリス議会
太陽が沈まない帝国の誕生
英仏によるインド争奪戦
世界で始まった大英帝国による覇権戦争
大英帝国の日本侵略「長崎フェートン号事件」
支那で勃発した「アヘン戦争」
インドにおけるイギリス植民地支配への抵抗運動

第七章 アメリカの「マニフェスト・デスティニー」
「先コロンブス期」の南北アメリカ
アメリカ大陸を植民地化したノース人
秀吉の「伴天連追放令」の背景
聖書の神のモーゼへの命令
鎖国政策を取った幕府の鋭い外交方針
ローマ法王によって、加速された大虐殺と奴隷制度
新大陸で悲惨に酷使された黒人奴隷
奴隷制度を支持したアメリカ民主党と廃止を訴えた共和党
共和党初代リンカーン大統領就任と南北戦争
アメリカの黒人奴隷時代に、日本では世界一の都市と文化が栄えていた
江戸の治安は、東京よりも良かった
江戸の庶民は、世界一文化的な生活を送っていた
江戸の日本は、世界史に類例のないほど教育が普及していた

第八章 白人キリスト教徒による太平洋侵略
黒船艦隊はシェルガンで武装し、日本をキリスト教化しようと脅迫した
ヨーロッパのアジア侵略に慄然としたペリー提督
「マニフェスト・デスティニー」の西部開拓は、太平洋の侵略へ
大航海時代のスーパースター「クック船長」の大冒険物語
クックの最期
尊王攘夷は、日本防衛と国体護持のためだった
ジャーディン・マセソン商会の暗躍

第九章 マッカーサー親子によるフィリピン侵略
白人キリスト教徒によるフィリピン侵略
ホセ・リサールとフィリピン独立運動
米西戦争で、アメリカがスペインにとって代わる
独立軍を殲滅にかかったマッカーサー親子
日露戦争での日本の勝利に歓喜したフィリピン民衆

第十章 大日本帝国と西欧列強の帝国主義の違い
侵略ではなく、日本とアジアを防衛した大日本帝国
白人帝国ロシア南下の脅威
三国干渉という白人列強の侵略行為
日英同盟はなぜ締結されたのか
日本による人種差別撤廃提案はなぜ踏みにじられたか
日英同盟廃止を望むアメリカの思惑
ワシントン軍縮会議の謀略

第十一章 大日本帝国は「植民地支配」などしていない!
日本はアジア最後の砦だった
日本の朝鮮統治は「植民地支配」ではない
日本の統治についてデタラメを書く韓国の国定教科書
人種平等の理念に基づいた「皇民化」教育
朝鮮王族に嫁いだ日本の皇族・李方子女王
八紘一宇は、「世界は一家、人類は皆兄弟」という日本の理想
大和の国・日本には、八百万の神々がいる

第十二章 日本は中国を侵略していない
国連で「侵略戦争」が定義されたのは「一九七四年十二月」
日本の満洲への進出は、侵略ではない
日露戦争の勝利で満洲の権益を獲得した日本
中国には匪賊が各地に割拠していた
日本には満洲の在留邦人を保護する責任があった
五族協和・王道楽土の理念で建国された満洲国
日本の大陸への進出は、「パリ不戦条約」を侵していない!
支那事変は、日本の侵略戦争ではない!

第十三章 アメリカによる先制攻撃の「共同謀議」
我々は、もっと真実を知る必要がある
中国の航空部隊のパイロットは、アメリカの偽装「退役軍人」だった
戦争を仕掛けたのは、アメリカか、日本か
日本軍航空部隊との交戦
中国で航空ビジネスを仕掛ける
ルーズベルト大統領が、チャイナ・ロビーに応えた
共同謀議をしていたのは、アメリカだった!
シェノールトの「日本爆撃計画」
「武器貸与法」のルーズベルト大統領VS「アメリカ第一主義」のリンドバーグ
アメリカによる対日経済封鎖と輸送船への攻撃
日米戦争を引き起こした元凶の書

第十四章 大統領がアメリカ国民を欺いた日
大統領による裏切り行為
日本に対米戦争を起こさせるための八項目
挑発目的での巡洋艦の出没
合衆国艦隊司令長官がルーズベルトに反旗
暗号解読を活用したマッカラム
「真珠湾の奇襲」は、アメリカの罠だった!
泳がされていた帝国のスパイ
太平洋戦争は、アメリカの「侵略戦争」だった

第十五章 大英帝国を滅ぼしたのは日本だった!
大東亜戦争の虚妄と真実
大東亜戦争開戦七十周年記念での講演
大英帝国が刺し違えた日本
大東亜戦争を高く評価したイギリス人
大東亜戦争は、アジア解放戦争だった
“空の神兵”の偉業
アジアの人々は、日本軍を歓喜して迎えた
日本よ、大東亜戦争の大義を世界に伝えよ!
神州不滅を期して

主要参考引用文献


 

お勧めの書籍