アメリカ人が語る 沈む超大国・アメリカの未来

マックス・フォン・シュラー 著 2024.11.14 発行
ISBN 978-4-8024-0183-8 C0021 四六並製 208ページ 定価 1650円(本体 1500円)

はじめに

アメリカ人が語る 沈む超大国・アメリカの未来

アメリカ人は自分たちを古代ローマと比較したがります。実際、自分たちはローマ帝国の後継者だと主張したがります。シカゴ科学産業博物館やニューヨークのメトロポリタン美術館の建築を見ればわかります。古典的なローマ様式です。ローマは最初の〝世界〟帝国と呼べるかもしれません。当時のビジネスマンは、現在のシリアからイギリスまで、ローマ帝国と同じ法律と支配のもとで、安全に旅をすることができました。

しかし、古代ローマの権力と栄光は徐々に衰退していきました。アメリカも衰退の一途をたどっています。日本にはアメリカが永遠の存在であると信じている人がたくさんいます。しかし、古代ローマは没落し、滅びました。

476年、ゲルマン人のオドアケルが西ローマ帝国最後の皇帝ロムルス・アウグストゥルスを廃位させました。当時のローマ市の人口は100万人。しかし、ローマ帝国の滅亡とともに、これほど多くの人々を養っていた官僚機構も解体されました。100年後、ローマ市の人口は5万5000人ほどにまで減少しました。彼らは過去の廃墟に住む亡霊のような存在でした。

多くの日本人には信じがたいでしょうが、現在のアメリカもやがて同じ運命をたどることになります。

私は日本に住んで50年になります。日本は素晴らしい国だと思います。しかし、アメリカに対する日本人の態度にはいつも驚かされます。アメリカは輝かしい国、世界一幸福な世界であるかのように思われています。

アメリカで生まれた私は、それが真実ではないことを知っています。特に私が初めて日本に来た1974年当時は、アメリカで暮らすことが多くの日本人の夢でした。しかし、その理想の世界はもはや真実ではありません。実際、アメリカは大きな危機に直面しています。

現実には、アメリカは内戦に向かっています。私は、アメリカでの内戦勃発は避けられないと考えています。本書では、私が予測する北米大陸の未来について述べます。それは残酷なもので、ほとんどのアメリカ人は生き残れないでしょう。統一国家としてのアメリカは存在しなくなるでしょう。

これから起ころうとしていること、いや、すでにアメリカで起こっていることは、ロシアや中国の策略によるものではありません。それは完全に、アメリカ人自身の利己的な動機によって引き起こされているのです。

北米大陸には豊富な鉱物資源があり、温暖な気候は農業に適しており、世界の主要な海洋にアクセスでき貿易にも適しています。しかし、アメリカ人は利己的で短絡的な理由で、これらすべてを無駄にしてきました。

この崩壊から生まれるアメリカは、マイナーな国家になるでしょう。私はマイナーな国がいくつか誕生すると予測しています。しかし、私がこの本を書いている最大の理由は、アメリカ人ではなく、日本人に伝えたいことがあるからなのです。

多くのアメリカ人がその危険性を理解し始めています。しかし、私は主に日本人のためにこの本を書いています。アメリカの破滅に引きずり込まれるであろう日本を救うことは、まだ可能です。

しかしそのためには、やらなければならないことがあります。





目次


はじめに

第1章 現在のアメリカ
アメリカ都市の崩壊
左派黒人だと犯罪が許される?
不法移民の問題
不法移民の狼藉
アメリカ地方都市の惨状
都市からの難民の波―富裕層・中産階級・貧困層
滅亡に向かう地方都市
アメリカ内戦の危険性
深刻な人種対立
アメリカを破壊するエリートたち
アメリカ軍の衰退
劣った武器
民兵運動
移民たち
キリスト教原理主義者(福音派)
ウクライナ戦争
ウクライナ戦争の今後
中東戦争
諸悪の元凶「フェミニスト」
フェミニストによる教育破壊
アメリカのマンパワーの劣化
アメリカのビジネストラブル
ディストピア化するアメリカ
イーロン・マスクの悲劇

第2章 アメリカの未来
ドナルド・トランプと選挙
トランプ前大統領に対する裁判
トラックドライバーによるストライキ
利己主義を極めるアメリカ民主党
トランプとバイデンの討論
操り人形・バイデン
トランプ暗殺未遂事件
バイデン大統領選から撤退
カマラ・ハリスとティム・ウォルツ
ロバート・ケネディ・ジュニア、トランプ支持を表明
2024大統領選の見通し

第3章 日本は何をすべきか?
まず第一に、してはいけないこと
日本軍を増強せよ
日本に住む外国人
外交上の新しい選択肢
新首相への不安
2028ロスオリンピックの悪夢

おわりに