
子育てとは、ご飯を食べさせて体の成長を促すことや勉強のできる環境を用意することだけではありません。両親が共働きで忙しくても、短い時間で構いませんので、しっかりと子供の話を聴き、子供を大切に丁寧に扱い、心が落ち着く時間を確保して、子供に安心感と信頼感を与えることが本当の子育てであり、お母さんとの信頼関係を通して愛国心が育まれると私は考えています。
私は三人の子供たちの心を大事に丁寧に育むことに主眼を置いて、子育てを行ってきました。寝る前に昔話(私のオリジナル含む)を話して聞かせて、学校で身につけてきた偏った知識を浄化させました。価値観に関する部分やお行儀に関する部分も、古事記や伝承されてきた昔話を楽しく伝えて、『礼法』や『修身』を通して日本人らしさを育みました。
私は子育てを大阪で行っていたので、橿原神宮や大阪護国神社、氏神様の神社に連れて行くことを習慣化しました。東京に移ってからは靖国神社、明治神宮、武蔵野陵に連れて行きました。その代わりと言ってはなんですが、かの「夢の国」には連れて行きませんでした。子供たちがあまり興味を示さなかったのです。その理由は、幼い頃に日本の昔話に親しんだからかな、と私は思っています。
この本を手に取って下さった方は保守思想に興味を持っておられる方だと思います。でも私は全てのお母さんと、お母さんとの関係に悩んでいる方に読んでいただきたいとも思っています。反抗期の子供との接し方についても、本書の中で扱っています。
私の三人の子供たちは、「母さんの子で良かったと思っている……」と、言っています(「概ね良かったということだからね」と、ツンデレ発言でしたけれど)。この言葉は、私にとっての勲章です。
子育てはすぐには答えが出ません。誰に褒められるものでもありません。間違いはあっても正解はないのです。しかし忘れてはならないのは、子供が良いと評価してくれることです。子供に良いお母さんだと思ってもらえることに喜びを感じる母親であってほしいと思います。
本書を手に取り、心を育む子育てをしてくれるお母さんお父さんが増えることを、子供の代弁者として願っています。そして、そのような子供とお母さんとの信頼関係が愛国心の土台となることを知ってほしいと思います。