「欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは、自死することを決意した。欧州の大衆がその道連れになることを選ぶかどうかは、もちろん別の問題だ」
英国のジャーナリスト、ダグラス・マレーは、二〇一七年に刊行した『西洋の自死──移民、アイデンティティ、イスラム』東洋経済新報社(原題は『The Strange Death of Europe(欧州の奇妙な死)』)という自著の冒頭でこう述べた。
マレーのいう「自死」とは、西欧諸国で各国政府の移民・難民の受け入れ政策で流入した大量の外国人によって治安が崩壊し、社会混乱が発生している現在進行する状況を指している。その変化によって、もともと住む国民が苦しみ、さらにイスラム教徒の移民の増加でキリスト教が作り出してきた西洋文明そのものが変質しつつある状況もいう。
似た状況が日本で発生しつつある。日本人が自らの手で、この文章の「欧州」という単語を「日本」と近いうちに置き換えるかもしれない。その恐怖と心配を抱きながら、私は本書を執筆した。
埼玉県南部で、ここに住むトルコ国籍であるクルド人の一部による問題行為によって、治安が悪化し埼玉県民が困っている。ところが行政、警察・検察は積極的にそれを取り締まらず、県民の苦しみを放置しているように思える。メディアや一部の政治勢力は住民の悲鳴を聞かず、伝えないどころか、声を上げる人を「ヘイト」「差別」と攻撃する。このクルド人らの大半は滞在資格がないのに「難民である」と嘘をついて日本にいる可能性が高い。日本政府が適切に取り締まれば、日本にいる事はなかった人たちだ。この状況が公の場でなかなか議論されず、メディアも伝えないために、問題を知らない人が多い。本書の報告を、多くの人が驚くだろう。
私はその苦しむ埼玉県民の声を集め、二〇二三年五月からボランティアで報道した。報道する人は当初は私しかいなかった。クルド人、取り巻きの日本人から「嫌がらせ」と思える訴訟や中傷を受けたが、逃げずに問題の発信を続けた。この問題に責任ある人の動きは鈍く、「見て見ぬふり」をする。しかし多くの賢明な日本国民が問題を知り、おかしいと声を上げ、是正するための動きを始めたことが救いだ。
本書では私の集めた情報をまとめ、紹介し、問題が解決しない理由を示し、解決のために何ができるかを読者の皆様と共に考えたいと思う。
日本政府は外国人を大量に受け入れる準備がまったくできていない。それが、この埼玉クルド人問題の取材と分析で、私が理解したことだ。日本の外国人への「優しさ」は世界に誇るべきものだが、悪意を持つ外国人に利用される隙を作ってしまった。
そして日本政府は移民受け入れ政策に舵を切った。今後は、世界から質があまり高くない外国人が、日本に定住を求めて押し寄せる。数千人のクルド人さえ日本政府、埼玉県は管理できない。これ以上、問題のある外国人の定住を増やせば、西欧諸国と似た混乱が埼玉で、そして全国で起こるだろう。それは日本のあり方を変えるほどの衝撃をもたらしかねない。
読者におかれては「やがて自分の身に、自分の住む地域社会に、外国人による同じ問題が起こりかねない」と考えながら、本書を読んでいただきたい。国を外国人に開放することの是非を日本人が立ち止まって考えられる、そして埼玉クルド人問題を解決できる最後の機会が本書の執筆時点だと思う。
政府による「日本の自死」に、私たち日本人が巻き込まれる必要はない。それを止めなければならない。埼玉クルド人問題を埼玉県民と共に解決し、そして外国人との付き合い方を考えるための一助として、本書を読んでいただければ幸いだ。
石井 孝明
はじめに 日本の「自死」の始まりか
第一章 埼玉県民の声──広がるクルド人の違法行為
異様なナンパと女性の恐怖
拉致の危険を感じた女子高校生
女子中学生がクルド人に襲われる
取り締まらない埼玉県警
話題にしづらく、実態把握できず
女性の被害を止めるため、リスクを背負い報道
都市機能の麻痺──ごみと騒音に住民は苦しむ
ごみだらけのアパートが点在
掃除をしてもごみを捨てるクルド人
夜のたむろで人通り消える
公園で脱糞や放尿する幼児
壊しても賠償したから悪くない? 奇妙な理屈
日本人が地域外に逃げ出し始めた?
悪化する治安、地域社会で高まる不安
救急病院をクルド人が暴動で止める
治安崩壊が一部地域で発生
突出して高いクルド人の犯罪割合
「無敵の人」が埼玉で暴れ続ける
子供たちが怖い──非行増加と教育の崩壊
学校にいかない子供たち
「ヘンナガイジンガイル」日本人を脅すクルド人少年
学校で広がる混乱、政府の無策が日本人の教育を妨害
政府は調査もせずに、子供と親に滞在ビザ
勉強で自分の未来を切り拓こうとする少年
「クルドカー」による命の危険
クルドカーの暴走に日本人が苦しむ
事故処理はあいまい、日本人が損ばかり
高級車に乗る怪しいクルド人たち
簡単すぎる運転免許の切り替え
壊れる解体業──「安物買いの銭失い」
違法工事が告発で止まる
解体業は急成長産業──数百億円をクルド人が取る?
安さの理由は不明──不法投棄、不法処理の疑惑
「立ち入り不可能地域」で産廃不法処理か
クルド人を利用する日本企業の悪質さ
第二章 自分が外国人犯罪の被害者になる
クルド人による脅迫が続く
「石井を殺す」と喚いたクルド人を埼玉県警が逮捕
脅迫を続けるクルド人たち
外国人管理制度が日本では適切に運用されず
訴訟による嫌がらせ、それでも逃げず
クルド人、日本人からの訴訟
「見ないことにする」関係者たちにいきどおる
報道にたくさんの応援と支援
第三章 政府の失敗が埼玉県民を苦しめる
制度のミスを衝く「偽装難民」の疑い
「本当にあなたは難民か?」
難民申請で日本に居残る
クルド人はトルコで迫害されていない
出稼ぎで来日する人が大半
在日クルド人の実数さえ日本政府は把握せず
難民申請を悪用し居残るクルド人
多文化共生政策の危険
日本人の優しさが危険をもたらす
コロナ給付金十万円に歓喜するクルド人
埼玉南部、「住みやすい町ランキング」上位から転落
外国人に優しい街、誇るべき事だが
「共生」を目指した市の責任
外国人の移住を促進する必要はあるのか?
世界とつながる埼玉クルド人問題
海外への発信、世界から反響
世界のクルド人から大量の攻撃
欧州のクルド人、治安悪化の原因に
「大家族犯罪」が深刻になるドイツ
テロ関係者を支援する日本人学者たち
第四章 在日クルド人の奇妙な生活
富を見せびらかす難民たち
自慢する「フェラーリ難民」
日本での快適な生活を捨てられない
稼いだ金の行先は本国送金
派手な無駄遣いをするクルド人たち
金だけを考える生活は虚しい
自分中心の異様な思考
他者の苦しみへの共感力の不在
対立相手を汚い言葉で威嚇する
「世界は一つ」になっていない
学ばない在日クルド人、子供を不幸にする
数を数えられない人たち
「アンカーベビー」、道具になる子供
子供の人生の選択肢が限られる気の毒さ
未来が見えないために苦しむ少女たち
子供を不幸にするのは誰か?
埼玉にクルド系テロ組織の影
トルコ政府、日本でテロ組織関係者が存在と公表
来日クルド人歌手はテロ組織の幹部だった
日本政府はPKKをテロ組織と認定
「お花畑」の日本、テロ組織に無防備
クルド人の言い分を聞く
「悪いことをするのはトルコ人」?
「僕たち悪い人ではないですよ」?
「嘘をつきたくない」との声も
被害者意識がゆがんだ認識を生む
第五章 問題をこじらせる日本人たち
知らないうちに移民開国──国の政策がおかしい
国は言っても動かない
「見て見ぬふり」をする疑惑
問題を深刻に受け止めない経済界
八十年前の外国人政策の失敗が今に影響か?
動かない、動けない現場の行政
騒音がなぜとまらない?
隙間だらけの規制制度、悪意の違反者に対応できず
テロ組織の活動を容認? 埼玉県の異様な行為
日本の法律・制度は外国人犯罪に対応せず
活動家と利権による混乱
クルド人批判デモ、埼玉の雰囲気が険悪に
「愛国者」たちの奇妙な気負い
クルド人擁護で儲ける人たち
人権派の奇妙な暴走
問題に見え隠れする日本の政治家たち
ゆがんだ報道が問題を悪化させる
「事実が報道されない」埼玉県民のメディア不信
デマが作ったクルド人問題? 朝日新聞の嘘
声を上げる人を批判──欧州の失敗を繰り返す?
第六章 日本の崩壊を今ここで止める
共生に失敗した西欧、過ちを繰り返す日本
移民政策で国が壊れる
西欧の失敗を追随する日本
世界で広がる外国人政策のゆり戻し
埼玉の今は日本の未来を示すのか
大量の外国人で街が変わる
地域社会が日本でなくなる
欠陥が修正される外国人管理制度
入管法改正、状況は変わるのか
穴だらけの制度が変わる
少しだけ動揺するクルド人たち
問題解決に立ち上がる埼玉県民
「ツイデモ」で伝わる住民の本音
ネットでつながり情報を交換
外国人問題解決、意見を形にする
国を開く、負の側面を直視する
「共生」の準備はできていない
外国人による日本社会の破壊を認めるのか
解決のために何をすればよいか
日本と外国人の関係を考える熟議の時
おわりに 外国人の力を適切な形で日本に取り入れる