
日本の小学校教科書が自国の歴史をどのように教えているか、読者はご存知でしょうか。
歴史教育とはその国や民族が長い歴史の中で磨き上げてきた良き伝統・文化、そして価値観を次の世代に継承する上で最も大切な役割を担っているはずです。
ところが現在小学校で使われている教科書は、神話をはじめ日本人が古来から受け継いで来た伝統文化の多くを無視あるいは歪曲しており、近現代史においては日本がアジア諸国を植民地支配し、他民族を虐殺し、無謀な戦争を起こして自滅した「愚劣で残虐な国家」であったと教え、自分たちの祖先を「犯罪者」だったかのごとく扱っているのです。
このような教科書で学んだ子供たちの心には、日本の歴史に対する憤怒と憎悪、さらに羞恥ばかりが刻み込まれ、祖先を呪い日本人に生まれたことを後悔するでしょう。
教科書の記述内容が「史実」であるならまだしも、重要な項目のほとんどにおいて事実が捻じ曲げられ、「嘘」が満ち溢れており、それはもはや児童に対する「精神的虐待」といっても過言ではありません。
日本の青少年の自己肯定感・自尊感情が諸外国に比べ極端に低く、社会への参加や貢献意欲に乏しいこと、さらに自殺率が群を抜いて高いことも、このような幼少期からの自虐的教育がもたらした悲惨な結果ではないでしょうか。
では一体どうして教科書がこのような自虐的記述になってしまったのでしょう。
戦後の歴史教科書は、主に歴史学の成果を元に記述されますが、日本の歴史学会は、長年左翼学者によって牛耳られており、牢固して変わらず、その内情は、中韓従属史観(中華思想に基づく)・コミンテルン史観(国際共産主義史観)・東京裁判史観(戦勝国=連合国中心史観)の3つの観点に覆われております。この3つの観点に基づいて歴史教科書が編集・執筆されているため、日本史の叙述は甚だ歪んだものとなってしまいます。
特に、近現代史の叙述は、いわゆる「反日史観」「自虐史観」の様相を色濃く呈しており、子供たちに加害者意識と贖罪意識を植え付け、日本の過去の行為に対する「懺悔」と「反省」を求めることを主眼とする内容となっているのです。
そのことは戦後史の冒頭で全ての教科書に次のようなコラムを掲載していることからも明らかでしょう。
『こんどの憲法では、日本の国が、決して戦争をしないように、2つのことを決めました。その1つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです(中略)しかしみなさんは、決して心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に正しいことぐらい強いものはありません。』
これは自衛隊創設以前の1950年まで、GHQ(連合軍最高司令官総司令部)検閲下で使用された中学校教科書「新しい憲法のはなし」の一節をそのまま引用したものです。
このように日本では、1952年4月にサンフランシスコ講和条約によって米軍による占領から独立し主権を回復した後も、「周りの国はみな公正な国々で、日本人さえ無謀な戦争を起こさなければ、日本も人類も平和を享受できる」という、戦勝国によって勝手に創作された「連合国中心史観(日本悪玉史観)」を今日に至るまで後生大事に教えているのです。
そこには左翼思想を持つ執筆者たちの「日本の国家体制を打倒するために、軍事的にも精神的にも脆弱で無防備な国家のままにしておこう」という意図が透けて見えており、教科書を通して純真な児童・生徒の心を「自衛隊反対」や「憲法改正反対」の方向へと導き、幼いころから左翼的イデオロギーをその頭に刷り込んでいるともいえるのです。
一切の軍備廃止がなされ、全ての国家・民族がお互いに認め合い、共に仲良くくらすことは、まさしく人類の究極の「理想」であります。しかし、日本の周辺には、いまだに軍事大国や覇権国家がひしめき合い、核兵器を配備して虎視眈々と日本を狙っているのが実態です。国際政治の現実からまったく遊離し偏向した「理想」だけを子供たちに刷り込めば、日本の自主独立を維持することは不可能でしょう。
このような我々日本人の祖先を貶め、日本人としての自信と誇りを育むことなく、空想的平和主義のみを叩き込む自虐的教育では、日本の次代を担う青少年に公正な歴史観や健全な愛国心、さらには、自らが所属する社会への帰属意識・貢献意欲を育成すべくもありません。それどころか日本国そのものが亡国への道をたどることになるでしょう。
本書では、児童期からの人格形成、思想形成に大きな影響を及ぼす現行の小学校歴史教科書が、「反日史観」に基づく「自虐史観」さらに「唯物史観」・「反天皇史観」で満ちている実態を白日の下に晒し、その歴史の歪曲を徹底論破しており、本来のあるべき姿、正しい歴史を具体的に示しております。
子供たちが本当の歴史を知れば、先人への感謝の気持ち、そして日本人としての自信と誇りがその胸に沸き起こるに違いありません。人生の壁にぶっつかっても「俺は(私は)、誇りある日本人だ!」という気概(大和魂)で乗り越えることができるでしょう。そして未来への夢と希望を持って、この国のために尽くしてくれるでしょう。
祖国を愛する気持ちを持てばこそ、世界の人々の心を理解することが可能であり、真の国際人として世界にも貢献できるはずです。
どうか、心ある保護者の皆さん、教育関係者の皆さん、そして、日本の将来の在り方に関心のあるすべての国民の皆さんに本書を手にとってご一読いただけたら幸いです。