この本は、あなたに〈気づき〉を深めていただくためのツールとして書かれました。また、今日まで〈ETCセンター〉が教えてきたことを、あなたに総合的に学んでいただくためにも書かれています。
あなたが、この本で、初めて〈ETCセンター〉の教えに触れるとしたら、用語などに関して、たぶん分かりにくいところが出てくると思います。そこで、まず、私の著書のうち、『〈からだ〉の声を聞きなさい』や『〈からだ〉の声を聞きなさいA』をお読みになることを、お勧めいたします。
これから1年間、つまり52週間にわたって、あなたは、自分を観察し、答えを記録し、リストを作り、恐れを書きとめ、身近な人たちに対する自分の態度を点検し、身近な人たちに質問し、家族のメンバーを観察することになります。
もし、身近な人たちに対して質問するのが難しいのであれば、「私がいま勉強しているこの本に、そういう質問をするように書いてあるので、すみませんが、どうか質問させてください」と断ってから質問するとよいでしょう。そんなふうに質問し、また分かち合うことが、どれほどパワフルなツールであるか、すぐに分かるはずです。そうすることによって、あなたのコミュニケーション力は飛躍的に向上するでしょう。
ただし、自分にとって都合の良い返答を得ようとはしないでください。もともと、返答に良いも悪いもないのです。問題は、その返答を通してあなたが気づきを深められるかどうか、ということなのです。特に、自分が間違うことを決して許せない〈完璧主義者〉は、そのことをしっかり心に刻んでください。
この本に書かれている質問の中には、あなたにとって答えにくいものがあるかもしれません。また、抵抗を感じさせるものがあるかもしれません。そういう場合には、自分に対して充分な時間をあげてください。もしかすると、何週間もかかる可能性があるでしょう。でも、それはそれで良いのです。
あるいは、中には、どうしても答えたくない質問があるかもしれません。その場合には、その質問をただ後回しにするのではなく、どうして自分が答えたくないと思うのかを、書きとめておくことをお勧めします。
気づきを深めてゆくためには、そうとう自分を律することが必要となります。ただし、52週分をこなすのに、必ずしも52週かけなければならないわけではありません。自由にやっていいのです。特に、自分に厳しすぎる人たちは、この機会を使って、柔軟さを学んでいただきたいと思います。
この本は、あくまでも、〈意識的になる〉ための1つの〈ツール〉でしかありません。あまり堅苦しく考えないでください。もし、求められている作業がどうしてもできないのであれば、それはそれでいいのです。無理に行なうことはありません。むしろそれを、あなたの心に潜む〈恐れ〉や〈思い込み〉に気づくための機会としてください。そして、そんな〈恐れ〉や〈思い込み〉を持っている自分を、ありのままに認めてあげましょう。
一方、あなたの関心を特にひくテーマに関しては、集中的に取り組んで、何週間かけてくださっても結構です。この本を使って自己啓発に励むなら、必ず良い結果が得られると私は信じています。大切なのは、この本の目的を常に念頭に置くことです。つまり、自分が何者であるかに気づき、人生を自分の思い通りに送る、というのがその目的なのです。
この本を有効に使うためのもう1つのアドバイスは、この本をなるべく目につくところに置いておく、ということです。そうすれば、一日が始まるときに、予定のページを読むことがたやすくなるでしょう。
この本のエクササイズは何度でも繰り返すことが可能です。52週を一通り終えたら、ふたたび挑戦してみてください。週ごとに成果を記録しておけば、ふたたび取り組んだ時に、最初の読書の時から、自分がどれだけ成長したかがよく分かるので、とても良いと思います。
それでは、素晴らしい気づきが得られますように!
リズ・ブルボー