あなたはどんな思いで本書を手にとってくださったのでしょうか?
もう天にお返しした子がたくさんいますか?
今、あなたのとなりにはどんな子がいますか?
私たちはペットを通じ、自分以外の存在を深く愛するということを経験します。それは同時に「執着に翻弄され手放す術を探す」「別れの苦しさと意味に葛藤する」「うちの子が私を選んだ理由を探す」など、数々の旅でもあるのだと私は思っています。
私たちの愛おしい子は一緒に暮らすさまざまな局面で、たくさんの働きかけを私たちにしてくれます。
それがどんなことなのか? この子が何を言っているのか? それを一番知るのは他でもないあなた自身です。だって、あなたがその子のお母さん(お父さん)なのですから。あなたが一番その子を愛しているのですから。
ペットは飼い主の多方面の反射を映し出します。本書を通じてあなたとペットとの間に何か新しい気づきがありますように。
たかが犬猫と飼い主との関係ではありません。あなたがその子と出会ったことには、深淵なる理由があるのです。「魂同士の約束ごと」があるのだと私は思うのです。
「そんなまた怪しい世界のことを……」と思われますか?
いいえ、あなただって感じています。
「この子とは何か縁がある」「この子は神さまが送ってくださった」「自分にとってただのペットじゃない。もっと何か意味がある」
心の奥でそう感じたからこそ、本書を手にとってくださいました。
その理由を一緒に探しませんか?
あなたとその子との間には、いったいどんな「魂の約束事」があるのでしょうね。
ワクワクしながら探しましょう。その子の生死は関係ありません。魂に生き死にはないからです。亡くなって数年たってから、その意味に気づく。その子の遺志に気づく。その子の声を聴く。そんなこともあるのです。
あなたは今、抱きしめる子がそばにいますか?
それとも亡くした子のぬくもりを思い出して泣いていますか?
うずくまって動けなくなっていますか?
本書を通じて、あなたに何か「ストン」とふに落ちることがあれば嬉しい。
「なるほど、そうだったんだ!」そう思えることがひとつでもあれば、私はあなたに対するお役目を果たしたことになる。
涙や疑問が、得心と笑顔に変わってくれたら最高です!
ようこそ妙玄ワールドへ♪
ご一緒に「うちの子が私を選んだ理由」を探す旅に出かけましょう!
まえがき
第1章 事件は現場で起きている
福島のフェニックス
子猫事件簿@
子猫事件簿A
第2章 魂の琴線に響くとき
過去の過ちを浄化する
自分を赦す
コラム@過去の過ちを未来から浄化して起きること
コラムA過去を書き換える実践方法
第3章 思いを行動を移す
脱走百景
誕生死
思いは具現化する
マリアは捕獲器をつかむ
第4章 ペットを失う苦しみの意味
最後の選択
この子はどうしたいのか?
未来への手紙
第5章 この子が私を選んだ理由
かわいそうな子がいる訳
お父さんの日
虐待の行く末
第6章 いのちのつながり
ノアの方舟
コラムBうちの子に送る供養の方法
あとがき
謝辞
昔、こんなドキュメント番組を見たことが、心に残っています。
それは、アメリカの10代の少女の話でした。彼女は末期の癌でありながら病床から、ゴリラやトラ、ゾウ、サイなどの野生動物の保護活動家たちに応援の絵手紙を送り続けていました。そして最後はいつもこう結んでいました。
「私にはもう命がありませんが、動物たちの未来をあなた方の勇気に託します。
私は何年も寝たきりですが、こうしてあなた方の勇気と安全を祈ることができます。こんな私でも誰かの役に立つことができる。そんな体験をさせてくれてありがとう。もうすぐ私は天に召されますが、死は少しも恐ろしくありません。死んでからこそ、私は本当にやりたいことができるのです。私は死んだらこの重い身体を脱ぎ捨てて、必ずあなた方のそばにまいります。これからは、あなたのそばであなたを守ることができる。私はいつでもあなたの勇気と身体を守れるのです」
このような内容でした。
この番組は、私の人生に衝撃を与えました。同時に「あなたはこれから何をするの?」そう問われているようでした。彼女は私に「他者に対して何もできない人はいない」そう教えてくれました。
世界中の保護活動家に送られるその絵手紙は、文章を考え、絵を書き、はうように病院の中庭で摘んだ小花の押し花を添え……。それがまた末期の彼女の生の意味を支えていました。また命がけの活動家たちにどれほどの勇気を与えたことでしょう。
ほとんどTVを見ない私がなぜこの番組を偶然見たのか? それも数ヶ月に1度くらいしか見ないBSで。
「ボランティアとはしてあげるものではなく、させていただくもの」
この彼女からの遺志をまた多くの同胞に発信できたらいいな。今はそんなふうに思っています。
それが「見知らぬ同胞がTVを通し私を選んだ理由」だと、勝手に解釈して奮起しています(笑)。いいじゃないですか。こじつけでも楽しければ。ああ、そういう意味か!そう思えたほうが人生は楽しい。
そんなふうに考えると、私たちの人生はたくさんの魔法であふれています。
私は本書を通して、あなたの手を引きます。
一緒にやりましょう!
自分以外の誰かの役に立つために。救済の手を必要としている誰かのために。
私たちが差し出した手はめぐり巡って、また私たちがつまずいたときに、差し出される手となり返ってきます。
こうして私たちは、自らを救うことができるのだと私は信じています。
私たちはペットという共通の宝物を通じてつながっています。決して一人ではありません。深い共感と強い調和で結ばれていくのを私は実感しています。
うちの子を天に返す。私たちみなが体験するその深い苦しみは、また別の世界への新たな扉。それは、自分の苦しみを他者のために生かす世界。
喜びと優しさと奇跡に満ち溢れている世界です。
本書がそんな世界に入るきっかけになれば光栄です。