この本に出てくるおもな登場人物(?)は、私と数人のガイドたちである。
内容は、私がヘミシンクを通してガイドたちとコンタクトすることで、不安や疑問を解消し自己成長していく過程をまとめたものだ。
ガイドとは、私たちの成長を促し、導いている非物質の存在のことである。
彼らは人生のさまざまな場面で私たちにメッセージを送っている。たとえば、急にあることがひらめいたとか、虫が知らせた、なんて経験は誰しも少なからずあることだろう。
あるいは偶然を装って、ある人や物との出会いを設定したり、夢に現れて大切なメッセージを伝えてきたりする。
こういう非物質の存在は世界的も広く知られている。それぞれの文化的背景や宗教、信仰などの違いによりガイド、神様、天使、魂の導き手など、さまざまな呼び方で表現されているが、非物質界から私たちを導いているという意味から、同じものを指していると考えられる。
本書では、この「非物質の存在」をガイドと呼ぶことにする。
普通の民間企業で営業マンとして働いている、いわゆるサラリーマンの私がヘミシンクと出会い、非物質界の存在を知り、そして自身のガイドとさまざまな体験を通して多くの気づきを得ながら、人生(というか生き方そのもの)が大きく変化していく。
ヘミシンクを知るまでは、家族(私は妻と息子の三人家族だ)がなに不自由なく日々暮らしていけて、年に一回か二回、旅行かなんかに行っちゃって、欲をいえば会社で少しだけ出世できれば言うことなし。日々おもしろおかしく生きていければそれでいい、と思っていた。
そんな私がヘミシンクというツールを得ることで、多くのことが変わった。
その結果、現在はサラリーマンの傍ら、ヘミシンクのトレーナーとしてセミナー参加者のお手伝いをさせていただいている。私がヘミシンクを始めた二〇〇八年当時は、自分がトレーナーになるなんて微塵も思っていなかったし、なりたいともなれるとも思っていなかった。人生、どこでどうなるか、本当に分からない。
いまこの本を手にとって読んでいるあなたは、次のようなことを考えてヘミシンクを始めることに二の足を踏んではいないだろうか。
「ヘミシンクに興味がありセミナーに参加してみたいが、仕事が忙しくて休みがとれそうにない」
「ヘミシンクのCDを買ったが、聴く時間がない」
「そもそも、ヘミシンクを聴いても体験できなかったらどうしよう」
実は、これらは私自身が考えていたことである。
ヘミシンクを知り、興味はあるが、時間がない。おまけにサラリーマンの私にとって、月々の小遣いからセミナー参加費を捻出するのは、けっこう大変なことだった。
さらに、そこまでしてセミナーに参加して、何も体験できなかったらどうしよう。
そんな思いもあり、なかなか最初の一歩が踏み出せない。そして月日が過ぎていく。
こんな私と同じような境遇の方は、けっこう多いのではないだろうか。
私もあなたと同じだったのだ。
だからヘミシンクに多少なりとも興味があるならば、ヘミシンクを用いて体験できる世界を自分自身で見てみたい、感じてみたいと思うのなら、是非とも本書をお読みいただきたい。時間がない、お金がない、おまけに自信もないサラリーマンの私が、いかにして非物質界を探索してきたのか。
本書は私の体験記だが、その体験の多くはあなたにとっても、きっと役立つものだと確信している。
それともうひとつ。
本書には私のガイドたちが頻繁に登場する。
ガイドたちとの体験をトレーナー仲間に話すと、みんながみんな口をそろえて「なにそれ?」「それってガイドなの?」「ヘンなの」「面白いねぇ」「漫才みたい」という。
褒められているのか、そうではないのか(私は褒められていると思っているが)いずれにせよ、そんな私のガイドたちについて本にしてみようと思い立った次第である。
え、どんなガイドたちかって?
まあ、そう慌てずに。
まずは私とヘミシンクとの出会いから順番にお話ししていきたいと思う。