チャコは幸せだった。
この本を読んで、私は今、はっきりとそう言うことができます。なぜなら、犬も人と同じように大好きな人といられることが何よりも嬉しいと思うからです。
読んでいて何度も目頭があつくなり、ボロボロと涙を流してしまいました。小澤さんとチャコの心の交流の温かさはもちろん、私と小澤さんの気持ちが似ていたためでしょう。
うちにもハッピーという犬がいます。私の両親が離婚したときや学校で嫌なことがあったとき、ハッピーといると不思議と素直になれます。私もすごく無口でした。家族とは普通に話せるのに他人とはどうしてもうまく話せませんでした。でも、ハッピーを飼い、少しずつですが話せるようになりました。小澤さんがチャコにもらったように私もハッピーから目に見えない何かをもらっていたのだと思います。
やがてチャコと同じようにハッピーも子犬をうみました。その四年後、二度目の出産は一生忘れないでしょう。目の前で命の誕生を見るというのはすごいことでした。三つの命をうみ終えてもハッピーの血はとまらなく、知り合いの獣医さんにみてもらいました。その結果なんとか助かることができました。ハッピーは子宮脱になっていて放っておいたら命はなかった、ということでした。私は初めて命の大切さがわかりました。小澤さんがチャコの大切さに気付いたのと同じ気持ちでした。
それからちょうど二ヵ月後、一匹の子犬がこの世を去りました。チャコのように突然でした。とても信じられなくて、涙も出ませんでした。
私は小澤さんと自分を重ね合わせてこの本を読んでいました。前にも述べましたが共感する所が多く、涙が止まりませんでした。周りから見たらチャコはただの犬だったのかもしれません。しかし、私にはそのようには思えません。小澤さんがどんなに支えられたかがこの本からすごく伝わってきました。
今、犯罪が増える世の中。命の大切さや自分の生き方をよく理解できていない人がいると思います。私もその一人でした。でも、この本を読んで少しだけど何かわかったと思います。もっとこの本をたくさんの人に読んでもらいたいです。チャコが教えてくれたことを世界中の人に伝えるために…。最後に小澤さん、チャコありがとうございました。
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