「心の目」って何だろう。
何度も読むうちに、外見ではわからない中身を見たり、感じたり、真実が見える目ではないかと思った。人が何を言ったらきずつくか、何をしたらいけないのかを考えられない人は、たとえ顔の目が見えていても、「心の目」は見えていないのではないでしょうか。
ベルナとななえさんが信号待ちしていた時、ベルナの下腹にタバコの火をおしつけた男の人は、きっと「心の目」を閉じているに違いありません。
痛くて鳴き出したいのも、怖くて逃げ出したいのもがまんしていたベルナ。そのがまん強さと責任感の強さに、わたしは金メダルをあげたい。そしてベルナをぎゅっとだきしめ、
「ベルナ。よくがんばったね。グッド、グッドだよ。」
と言ってあげたい。
そして、ベルナがタバコをおしつけられた事に気が付いてあげられなかったななえさんは、どんなにつらかったでしょう。何度読んでも自然と涙があふれてしまう。ベルナはななえさんを最後まで守ってくれた。私は、二人のきずながいっそう深くなったと思う。
七月に、私は学校のじゅ業でアイマスク体験をした。歩きなれた校内なのに、私はたちまち方向感覚がなくなってしまった。誘導してくれたクラスメイトと少し手がはなれただけで、迷路の中で一人ぽっちになったような気がして、不安になった。この時は、友達が
「階段だよ。角を曲がるよ。」
と言葉で誘導してくれた。しかし、盲導犬は言葉で教えてくれるわけではない。自分ではんだんして危なくないようにパートナーを連れて行くのだ。私は、盲導犬のかしこさと、パートナーとの間の深い信らいにおどろかされた。この体験で、目の不自由な人の気持ちが少し分かった気がする。
また、私は三年生の時、盲導犬訓練所で盲導犬の訓練を見たり、視覚障害者の方の話を聞いた。
昨年十月に身体障害者補助犬法ができたが、社会の中にはまだ入店拒否、乗車拒否、宿泊拒否が多いのが現実だそうだ。ななえさんとベルナも雨の日にバス停で待っていても乗せてもらえなかったり、幹太君の保育園にベルナを入れてはいけないと言われたりしましたね。盲導犬なのに、どうして入れてくれないの。盲導犬は、目の不自由な人の目なのに。
そんな時、周囲の人の言葉がけで入れる事も多いと知った。私は、町でそのような場面を見かけたら、勇気を出して声をかけたい。
この本を読んで、私は、ベルナとななえさんから勇気をもらった。そして、家族の大切さや相手を思いやる心について教えられた。
私は、心の目がくもらないように、これからもっとみがいてゆきたい。
読書感想文 受賞作
第2回「盲導犬ベルナ」読書感想文コンクール の実施内容
第2回「盲導犬ベルナ」入賞者一覧
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