目をつぶって家の中を歩いてみました。物につまづき、転びそうになりました。家の中がとつぜん「おそろしい別世界」へと変わり、目が見えないということは、どんなにこわいことかがわかりました。
郡司さんは「光」を失った時、どういう気持ちだったんだろう? きっと不安でしかたがなかったと思います。けれど郡司さんは「夢」を捨てないで歩き続けました。決してあきらめはしないで…。私だったらどう思ったでしょうか。テレビも見れない、友達の顔も家族の顔も、そして自分の顔さえ見れない…。そんな生活の中で、私は郡司さんのように生きてゆけるでしょうか? そんな勇気、私には持てないと思います。なのに郡司さんは、結こんして子どもも産みました。目が見えないのに。郡司さんのパワーってすごいなぁ、郡司さんて強いんだなぁ、と思いました。こんな立派な家族を築けたのは、郡司さんが心の目で家族をしっかり見つめ、支えていたからだと思います。私は郡司さんに「心の目」がどれだけ大切か、教えてもらったような気がします。
「お父さんもお母さんも顔の目は見えてないけど、心の目はちゃんと見えてる。心の目が一番大切なのだから…」
郡司さんは幹太くんにそう言ってあげてましたね。私はこの言葉にとても感動しました。そしてふと、私は思ったのです。「心の目」ってなんなんだろう? その答えを、郡司さんとベルナが教えてくれました。それは「相手を信じ、見つめようとする気持ち」だったのです。少なくとも私にはそう感じられました。私も「心の目」を大切にして、家族や友達と仲良くやっていきたいです。
ベルナに信じられない事件がおこりました。ベルナがタバコをおしつけられたのです。私は思わず目をつぶってしまいました。そして怒りがカァーとこみ上げてくるのを感じました。でもベルナは全然ほえなかったのです。自分の事を考え、郡司さんを守ってあげたのです。その時のベルナの気持ちを考えると、涙を流さずにはいられませんでした。ベルナのがまん強さ、そして優しさに、私はとても感動しました。
私はベルナの物語を読んで、将来、盲導犬訓練士になりたいと思いました。訓練士になるには十年もかかるし、相当大変なことです。でも、盲導犬がいて助かる人が一人でもいるなら、なりたいです。そしてベルナみたいな賢い盲導犬を育て上げ、視覚障害者の方々の生活を少しでも楽にしてあげたいです。
ベルナと郡司さんには、本当にたくさんのことを教えてもらったような気がします。
ありがとう! ベルナ! ありがとう! 郡司さん!
読書感想文 受賞作
第2回「盲導犬ベルナ」読書感想文コンクール の実施内容
第2回「盲導犬ベルナ」入賞者一覧
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