第2回「盲導犬ベルナ」読書感想文コンクール
小学校中高学年の部(3,4,5,6年生)――童話シリーズ

佳作

「こんにちは!盲導犬ベルナ」を読んで

東京都筑波大学附属盲学校 六年 田部井勇貴


 ななえさん、こんにちははじめまして。まず、ぼくがこの本を選んだ理由から書きます。
 ぼくは生まれつき目の病気で、三年生まで墨字で勉強していましたが、四年生になって視力が落ちてしまい、文字も点字にきりかえ勉強しています。点字を読むことはむずかしく読書も苦手なぼくでしたが、先生から動物好きならば興味のある動物の本から読んでみるといいよとアドバイスされて、前から盲導犬のことが気になっていたこともあり、「こんにちは!盲導犬ベルナ」の本を選びました。
 本を読んで感じたことは、まず犬にさわることもできなかったななえさんが、自分の夢である子育てのために大嫌いな犬とパートナーを組み、訓練センターでがんばり、そしてベルナのお母さんになってたくさんの愛情をそそいで、ベルナもななえさんに愛情と信頼感を持ったことについて、ぼくは人間と犬がこんなに心が通じあえるなんて素敵なことだと思いました。
 ベルナをパートナーにして社会へ出てからも、たくさんの困難もあったことと思います。けれどベルナといっしょに明るく前向きに頑張っているななえさんが、ぼくにはとても強くてカッコ良く見えました。
 みきたくんが生まれて念願のお母さんなったななえさんは、とても忙しかったけれど、ベルナのことも忘れず、いつもみきたくんのお姉さんとして接しました。ベルナも本当のお姉さんのようにみきたくんの危険なときなど、すぐななえさんに知らせに行ったりして、犬なのにすごいことができるんだなと感心していました。
 この本を読んで残念に思ったことがあります。社会の中でも、なんで盲導犬なのにふつうのペット犬と同じあつかいをされてしまうのか、まだまだ盲導犬にたいする理解が完全ではないことをつくづく知りました。
 けれど、ぼくも将来、ベルナのようにかしこくて時にはおちゃめな盲導犬とパートナーを組んで、どんどん社会に出てがんばろうと思っています。この本を通じてななえさんとベルナに出会えたことはぼくにとって、すごく大きなはげみとなりました。ななえさん、ベルナありがとう。
(点字原稿)



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