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■ 新引きこもりからの旅立ちシリーズ 1 ■


新・引きこもりからの旅立ち

 不登校「その後」・就職拒否に悩む親子との関わりの記録


富田富士也 著 1998.07.03 発行  

ISBN 4-89295-163-3 C0037 A5並製・256頁・定価 2200円(本体 2000円)

 

内容紹介

父の弱音が荒らぶる子を救う

 コミュニケーション不全に苦悩し、人間関係が強いられている場(学校・職場など)から身を引くことで生活を維持している若者たちを「引きこもり」と呼び、その実態と関わりを著した『引きこもりからの旅立ち』を出版してから八年の歳月が過ぎた。
 この間、不登校、いじめ、学級崩壊、児童虐待といった子どもたちをめぐる教育ニュースのなかで、二十歳代を迎えてから家族で彷徨する「引きこもり」の存在は、そんな親子と接する人たちにとってのみ、深刻な問題となっていった。ところが、ここ一、二年のなかで、不登校の年長化とともに、就職拒否する若者たちの増加と、その存在にも、社会の目が向けられるようになってきた。そして「怠け者」呼ばわりされてきた「引きこもる」若者たちの発言も、不登校の子どもたちの歩みに似て、社会的に光が当たるようになっている。
 その一方で集団の場になじめず孤立感を深め、悲しい形で人に近づき、殺めてしまう事件が連続したことで、安易に「引きこもり」と結びつけ、危機感をあおる風潮も、また現代社会の価値観へのアンチテーゼとして、極端に美化して、そのかかえる現実的苦しみを、突き放している発言も、垣間みる。
 昨年(九九年)も八月に学校基本調査が報告され、前年度より三〇万人も生徒・児童が減少しているにもかかわらず、「不登校」を理由とする子どもたちが、過去最高の一二万八千人と記録された。そして昨年の報告からにわかにクローズアップされてきているのが、大学卒業者の就職拒否である。臨床現場に身をおく私は、卒業者の約四割におよぶ無就労の学生の実態を「厳しい雇用状況」のひと言でくくるには、無理があるように思える。なぜなら、相談室を訪れる彼らが、まるで申し合わせたかのように吐露する「自分の生涯をかける仕事(定職)を、安易に選びたくない。もっと個性にあった職が見つかるまで、フリーターをつづけてみる」という言いまわしが、気になるからである。
 いったい子どもや若者をめぐる、このような現状をどう理解したらいいのだろうか。
 彼らとの相談活動をとおして、その悩みの根源は、仲間集団における人間関係の取り結び方にあると、私には思える。  群のなかで自分(個性)を維持する漂い方(立ち居振る舞いのT・P・O)がわからない、ということである。そしてこの苦悩をかかえる世代は昭和四〇年以降に誕生した「高度経済成長期の落とし子」であり、その訴えは、不登校という形で顕著になったように思われる。
 団塊の世代を親として子育てされてきた彼らは、いま「ムカつきキレた」学級崩壊という新たなコミュニケーション不全に陥っている。少子・核家族、知識偏重主義、結果・納期(発達)最優先の合理的強迫社会に身をゆだねるしかなかった。その彼らが、いま親や社会への悔しさを、相談室でこうつぶやく。 「小さいころに、ケンカして仲直りできるコミュニケーションを学んだら、たぶん登校(就職)拒否しなかったと思う」  人とやり取りするチャンスにめぐりあえなかったことによる、人間関係修復能力の育ちの乏しさである。ふれあい(コミュニケーション)不足が相手の心を思いやる営みを削ぎおとしていたのだ。
 つまり自分の心を、人との接触のなかで耕すという手間暇のかかる人間関係づくりを怠ってきたため「うっとうしさ」や「わずらわしさ」に脆いのである。だから対人関係の距離感(間)や親しさ、甘え方がわからない。  ふれあい、対立することが予想される場、集団には心身がすくんでしまうのだろう。もちろん、絡み合いが希薄なので、自己肯定感も乏しく透明な存在≠余儀なくされ、自分さがし≠つづけている。
 立場の違いはあれ、いま特に子どもと接する機会の多い大人に求められていることは、一つのことを成しとげ、わかりあうためには手間暇がかかることを、人とのやりとりの楽しさをとおして、子どもたちや若者に継承することである。人間関係は途中にお休みをとったとしても、生涯のおつきあいである。その心にふれたとき、人は「ケンカしても関係をあきらめなければ仲直りできる」を、肌で実感し、集団に漂う意欲が生まれる。  
「引きこもりからの旅立ち」とは、学校復帰したり、就職することではない。  復学や就職が必ずしも「自立した」ということでもない。
 引きこもりからの自立とは、旅立ちとは『孤立しそうになったとき、人とのつながりをあきらめないで、関わる手がかりを得る力』である。  



本書は「引きこもりからの旅立ち」の改訂増補版です。

 

目 次

 

はじめに――本当の「犠牲者」はだれ?

 

1章 引きこもる不登校「その後」

   引きこもりの終着点

   納期のこない親子関係がかかえる「その後」

   不登校の長期化、年長化、低年齢化

   人間関係から引きこもる「その後」を迎えた若者たち

   人間関係がわからない

   一人称的ライフスタイルの果てに……

   人間関係づくりの基本――せめぎ合って、折り合って、お互いさま

   ケンカして仲直りできるコミュニケーションを  

   「引きこもり」の幕開け

   本人が望んで、そうしているわけじゃない

   息苦しさのなかであえぐ青年たち

 

2章 閉ざされた世界「引きこもり」  

   引きこもりという名の社会現象

   二〇歳になったらなんとかする

   距離をとりたい気持ちが引きこもりへ

   「個性」が「孤性」になる人間関係

   「訓練」なき人間関係の悲劇

   両親と関われなかった子ども

   極度な潔癖性≠ェ家族を傷つけた

   誰でも引きこもる因子を持っている

   学校や職場へ「行」かせるより「生」かせる生活を

   燃え尽き、息切れる引きこもり

   燃え尽きタイプは立ち直りも早い

   ひとり遊び嗜好で引きこもり

   燃え尽き、息切れた少年

   高校を中退する友だちの一声に

   ひとり遊びで育ったF君

   ひとり立ちできない子の奴隷≠ニ化する母親  

   引きこもる本音

   引きこもりの心理を生活から理解する

   金縛りから引きこもりへ

   TVゲームに達成感を求めて引きこもる

   スキ間風夫婦

   登園拒否のはじまり

   引きこもりから立ち直らせるチャンス

   アダルトチルドレン

   悩んだ末の大学中退

   女性に母親を求めストーカー行為

   男性としての自信のなさが引きこもりへ  

   引きこもりへの道筋

   挫折からのはじまり

   逃避願望 努力している子ども

   ファジーにできない人間潔癖性と4S

 

3章 引きこもる心を耕して  

   子どもを追いつめる精神的暴力

   大切なのは「登校刺激」よりも「ふれあい刺激」

   担任による嫌がらせ

   正常≠ナあることを信じてもらえないつらさ

   「恨み」は薬では消えない

   「復讐心」を越える「共感」の世界

   母親代わりのぬいぐるみ

   大人はみんな汚ねえよ!

    シンナーでやさしさ探し

   氷室京介をモデルに硬派のツッパリへ

   あてにならない連帯感  

   家出

   帰宅意欲を持たない子ども

   家出か外泊か不鮮明な時代

   やさしい暴力団

   巧妙な手口

   地方に売られる少女

   魅力が魔力に変わるとき

   誰にでもある家出の可能性

   大人≠求め風俗店に出入りする若者

   子どもの葛藤サイン  

   不登校 引きこもりと不登校

   七時半の頭痛と怠け

   学校を見限る不登校

   便乗≠キる不登校

   学校は社会の縮図  

   引きこもりと病気

   引きこもりは病気ではない

   共感が症状を癒す

   診断も癒されなければ意味がない

   生きる自信を失っているボーダー青年

   追い込まない関わり十の心得  

    (1)子どもの話に耳を傾けて聴く  

    (2)達成感を与える  

    (3)関心を示す  

    (4)見捨てない  

    (5)努力を分けあう  

    (6)不安の先取り  

    (7)親以外に依存の対象を持つ  

    (8)夢・希望を与える  

    (9)プラスの話題を増やし弱音の吐ける家族に  

    (10病気ではないという認識を持つ

 

4章 引きこもりからの旅立ち  

   引きこもる子どもに寄り添う

   家庭訪問から見えてくる綱渡り家族

   「無神経すぎるよ、父さんは」

   「被害者意識」は現実検討へのハードル

   喜びの原風景≠つくる

   父親には、気づかって叱ってほしい

   親にしかできないこと、他人だからこそできること  

   共に生きる 社会に関わるモデル≠ニしての父親

   謙虚な気持ちで子どもと接する

   子どもを生活の必需品≠ノ

   達成感を細切れで与え、感動を分かちあう

   添え木になってくれる他人の必要性  

   子どもから大人へ

   アルバイト代は自立の特効薬

   間のとれる人間になる

   新たな集団を見つける

   ふたりでブラブラする価値

   子ども自身が持つ過剰な期待

   同世代からの置き去り感を知る二〇歳

   小集団からじっくり取り組む  

   社会病理として引きこもりを見つめる

   ボーダーレス時代に戸惑う引きこもり

   多様な価値観と出会えるチャンスを

   わが家の価値観の総点検を

 

あとがきにかえて  

   ゴチャゴチャした手の届く人間関係を

   チヤホヤされていることの、脆さ

   引きこもりとは「コミュニケーション不全」

   思いどおりにいかないから、人間関係はおもしろい


 

著者紹介

 富田富士也(とみた ふじや)

1954年、静岡県御前崎市出身。教育・心理カウンセラーとしてコミュニケーション不全に悩む青少年への相談活動を通じ、絡み合いの大切さを伝えている。「引きこもり」つづける子どもや若者、その親や家族の存在にいち早く光をあて、「治療的」でないカウンセリングの学びの場を全国的に広めている。総合労働研究所所員、千葉明徳短大幼児教育科客員教授、千葉大学教育学部非常勤講師等を経て現職となる。

■現在 「子ども家庭教育フォーラム」代表
    文京学院大学生涯学習センター講師
    日本精神衛生学会理事
    日本学校メンタルヘルス学会運営委員
    日本外来精神医療学会常任理事
    NPO法人「保育ネットワーク・ミルク」顧問
    「ケアする人のケアを考える会」代表
    「心理カウンセラーをめざす研究会」代表

 

 

■主な著書
  『新・引きこもりからの旅立ち』シリーズ1
  『言ってはいけない親のひと言』シリーズ2
  『心のサインを見逃すな』シリーズ3
  『子どもが変わる父のひと言』シリーズ4
  『傷つきやすい子に言っていいこと悪いこと』シリーズ5
  『子育てに立ち往生の親子へシリーズ6
  『いい子を悩ます強迫性障害Q&A
  『「いい子」に育ててはいけない
  『子どもの悩みに寄り添うカウンセリング
  『父の弱音が「荒ぶる子」を救う
  『引きこもりと登校・就職拒否、いじめQ&A
  『子どもの心が聴こえますか?
  『子どもの心を開く聴き方、閉ざす聴き方
  『子どもたちの暗号
  『もう保育で悩まない
  『「いい家族」を願うほど子どもがダメになる理由
●講演CD
  『ぼく、心が痛いよ
  上記すべてハート出版より

 

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