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■ ハート出版の詩集 ■


青空の友へ

我が人生の情歌


六丈生子 著・大橋健造 画 1995.10.26 発行  

ISBN 4-89295-196-X C8092 A5上製・96頁・定価 1282円(本体 1165円)

 

内容紹介

我が人生の情歌

 

 大切にしていた愛犬の死。天国に逝ってしまった「愛犬――ビネガー」へ贈る詩集。豊かな言葉で、切々とその想いが綴られる。死に至る経過が前書きで触れられている。短い文章だが珠玉。詩に英訳がついているので、違う詩の味わい方もできる。


 

まえがき

 

まえがき――ビネガー君へ

「私は今、小さな車の中で君のためにつくった曲を聞きながら、やっとペンを握ったところです。この車の中で一時間あまり、私と君が大好きだった六丈先生と二人でティッシュの箱を二箱も使うほど、涙を流し続けていました。涙と鼻水で二人の顔は、まるで真っ赤な目と真っ赤なお鼻のトナカイさんのようになっています。こうして書き出しても、何度も涙で字がくもってしまう……君がいなくなって10日もたったのですね……。
 私はあまりの悲しみと嘆きでどうしようもなく、身体中が痛みフワフワと宙を力なく浮いて、日を過ごしているようでした。どこにいても、何をしても、涙ばかり出てしまう。それは、ビネガーとの楽しかった日の思い出や可愛い姿が次々と、走馬燈のように浮かんでくるからです。
 小高い丘や草原でのかけっこ、多治見の朝夕の散歩は楽しかったね……。
 お買い物は車で、いつもいっしょだった。
 ときどき道はずれに走っていって、それでも呼べば白いゴムマリのように飛んできた、元気な君の姿はもう見れない。また、また、涙ばかりこぼれて、何度もペンを置き、中断してしまいました。  子供と同じように可愛かった君、ことしえに私たちの中に生き続けておくれ!!
 呼べば、今もどこからか、走ってきそうな気がするよ。抱き上げれば、うれしそうに顔をなめ、私の肩に顔をのせて、甘えていたっけ……」

 君は、雪のように真っ白い巻き毛、小さな濡れた鼻、白いマツゲに囲まれた愛らしい瞳をして、まるまる太った健康優良児だった。
 5月、若葉がもえいずる美しい月の17日に君は家を飛び出して、帰ってこなかった。
 私がもっとも豊かで、君たちといっしょに住める家がほしかった。貧しさ故に人は苦をなめ、寂しさを味わい、耐え難い無常を感じなければならない。この世界は平和ではなかった。私は二度とこの地球には生まれてくるまい。なぜなら、私たちのところを去ってわずか2か月で、君は天に帰ってしまったから……。
 私たちは貧しい作曲家の夫婦であった。私たちの住む借家では犬は飼えないというので、埼玉の知人宅にあずけることになった。しかし私たちのところから移るギリギリの出発時間前に、私はなぜか手放すことがつらくて、「もう一週間ほどこちらにいさせる」と言ってしまった。
 それからの一週間は、君と私たちの最後の、楽しい思い出の日々となった。1日2、3回の散歩はうれしそうで、私をグイグイ引っ張ってくれた。帰ってくると毎回、手や足や顔をきれいにお湯で拭いて、それから、やっと水を飲んで満足げに眠っていた。食事も一杯食べて、健康そのものだった。それだけに、そのたった2か月後ほど後に、君がいなくなってしまうなんて考えられないことだった。埼玉の知人宅に行ってからも「元気でいる」という電話を聞くたびに、ほっとしていた私たち……一日も早く、また一緒に住みたい、そう思っていた矢先のことだった。
 雨の降りしきる日、君は玄関のドアを押して出てしまった。
 君はドンドン道路を走り、走ってやっと電車の走る踏切にやってきた。
「向こう側にわたると、知らない人や自動車がいる……」
 君は怖さで思わず、線路に逃げた。
「この線路をずっとつたってきえば、お父さん、お母さんのところへ帰れる!!」
 君はどしゃ降りの雨に全身を打たれながら、懸命に線路を走っていった。どんなに冷たかっただsろうか、どんなに苦しかっただろうか……。長い毛が雨で濡れて、十分前が見えなかった。目の中に雨水が入って痛かった。ザーザーという雨の音で、電車が近づいているのもわからなかった。君は、疲れと不安と冷たさでぐったりして、線路に腹ばいになってウトウトしかけていた。
「危ない!!眠ってはいけない!起きて、横の道に逃げなさい!!」
 どこからか、誰かのそう呼ぶ声がしていた。しかし、疲れと冷たさで君は動けなかった。その時、ゴーッと、君の見たこともない巨大な電車が近づいてきた……。
 電車の下で、君は何度も背や頭を打って、天に昇っていった。何というはかない命だったのだろう……。
 許しておくれ。とこしえなる愛らしい犬よ。私に夫や子供や友がいなかったら、今すぐにでも、いっしょに君のそばに行ってやれるのに。
 私の涙はかれることなく、君を思いこぼれ落ちる。この涙が星となって、君の周りを取り囲み、キラキラ光るその日まで。
 わがとこしえの犬は君。君をおもいて綴る歌は、光となり、そよ風となり、やさしい太陽となってなぐさめ続けよう!!
 私のところへ帰っておいで……いつまでも仲良しでいよう!!

 

目 次

 

まえがき――ビネガー君へ
愛がもっとあったなら
とこしえの犬は君
お母さんといっしょ
空を飛んだビネガー君
虹をわたって
帰っておいで わが胸に
きっと遭おう 可愛い君よ
夢であってくれたなら
ぼくは助手席が好き
ひなたぼっこ
白いわた雲
ビネガー君の子守歌
おまえのおかげで勇気が沸いた
この広い空の下に
大金持ちになったら
愛こそわが道
たとえ小さな命でも
きれいな楽を君たちへ
私は夕鶴
世界は友だち

微笑みと涙
馬たちへごめんなさい
人生は愛

 

著者紹介

■ 六丈生子(ろくじょう せいこ)  ■

 

昭和13年兵庫県に生まれる。大阪相愛女子短大音楽部を卒業後、作曲勉学2年を経て中学校音楽教諭、ヤマハ音楽教室講師、日系外人新聞社編集長などを歴任。後に作曲家、詩人として多くの作品を創り、日本、海外で演奏。自然の中より天然の美と心を追求して、詩の中に愛・慈悲・勇気を歌い、人々の心の灯となってきた。六丈生子の歌と音楽は正義と愛と慈悲をテーゼとしたものが多い。

 

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