ツイート

■　ハート出版の文芸書　■

千恵とふしぎの犬那智

「歴史的イベント「動物サミット」を開いた動物愛護家の数奇な半生
たとえどんなに馬鹿にされようとも
物言わぬ動物たちの魂の代弁者になりたい……

濱井千恵　著　　2002.05.25　発行　　

ISBN 4-89295-492-6 C0095　四六上製・224頁・定価 1650円（本体 1500円）

　人も動物も、魂を宿す存在だと思っています。
　たとえ肉体はほろんでも、魂はちゃんと生きている。だからこそ、しっかりと生き、しっかりと死ななくてはいけないのだと思います。命を粗末にしてはいけないのです。
　わたしは、いま動物たちの命を救う保護活動をしています。動物実験にされたり、不用犬、不用猫として殺されたりする動物たちの命を一つでも救いたいと思っています。
　しかし、捨て犬、捨て猫があとを断ちません。
　実験動物も減ったとはいえ、ゼロにはなりません。
　なぜなのでしょうか？
　命について、さまざまな価値観があってもいいと思います。わたしのように「生きものには魂・霊が宿っている」と思う人もいれば、わたしとは反対に「肉体が終われば、すべて終わり。脳で考え、行動している以上、魂などない」と主張する人もいます。それはそれで構わないと思います。
　でも、重要なのは「命を大切にする」ということではないでしょうか。
　殺されるために生まれてくる命などありません。
　殺してもいい命など、どこにもないのです。
　みな、平等に生きる権利があるのです。
　 　犬も猫も鳩もカラスもネズミも、ミミズも……。そしてあなたも、わたしも。
　この書では、わたしのささやかなそうした「命の体験」「魂の体験」を紹介しました。読んでいただければ、なぜわたしがこうまでして「命に固執するのか」をおわかりいただけると思います。
　とくに、小、中学、高校生のみなさんには、「命とはなにか」「魂とはなにか」を考えてほしいと思い、ルビを多用しました。文章も平易を心がけました。
　命に上下はありません。みな、一様に尊いのです。
　そのことを、本著をとおして、ご理解いただければと思います。

　　　　　那智という犬

　　　　　那智の知らせ

　　　　　野良犬救出秘話

　　　　　危機一髪のオナラ

　　　　　お化けの子守歌

　　　　　お父ちゃんはいつだってええもん

　　　　　霊もお盆に里帰り

　　　　　ヒトダマ

　　　　　Ｔ先生

　　　　　黒猫とお婆さん

　　　　　人と動物の魂のつながり

　　　　　命を救う名物餅

　　　　　コックリさん

　　　　　０の零は霊？

　　　　　悟りのウンコ

　　　　　動物たちの魂の叫び 　　　

2002.07.14

■　濱井千恵（はまい　ちえ）　■

１９５４年生まれ。三重県出身。「動物の命を救う会」（ＴＡＰＳ）を立ち上げ、物言わぬ動物たちに代わって、生きものたちの「生きる権利」を訴え続ける。
主な著書に「この子達を救いたい」「ピーコの祈り」「動物サミット2001」（エフエー出版）がある。