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■ 破産・倒産 ■


自己破産


ある多重債務者の記録


山下幸明 著 1996.10.04 発行  

ISBN 4-89295-081-5 C0036 四六上製・192頁・定価 1760円(本体 1600円)

 

まえがき

自己破産──この手記を多重債務者だけでなく潜在的予備軍の人達にも読んでいただきたい。誰もが多額の負債に陥る危険性(住宅ローン、保証人等)はあるはずである

 

 ここに裁判所から送達された一通の正本がある。
 これは裁判官が私に下した『破産宣告決定正本』である。 「人生は筋書きのないドラマ」などと言われるが、そのドラマの主人公に私はなってしまった。自己破産したのである。
 一度つまずいた者にとって再起の道のりは険しい。よほどの意志と才覚、幸運に遭遇しないかぎり再起する道のりは遠く、あるいは一生を費やすことになるだろう。
 私はホームセンター向けのスポーツ玩具の卸し自営業をしていたが、長年の取引き先である会社から融通手形の話をもちかけられ乗ってしまった。融通手形は最も危険な手形であることは知っていたが、運転資金も欲しく、この深みにはまり込んだ。平成三年三月二十四日、私は手形をおとすこと(決済すること)ができたが、相手方がおとすことができず、不渡り手形を出されてしまった。
 その結果、手形の裏書人(保証人)である私は四通(約八〇〇万円)の手形の債務を負うハメになった。
 なんとかしようと悪戦苦闘してみたが、ますます負債は膨らむばかりであり、いわゆる「自転車操業」に陥ってしまったのである。
 一度狂いだした歯車を元に戻すことはとうとうできなかった。支払いのメドも立たない。もうどこも貸してはくれない。ギリギリのところまで追い詰められてしまった。この借金地獄から抜け出すには死ぬしか道はないのだろうか……。死にたいと思ったが、死ぬ勇気がなかった。
 こうして約二三〇〇万円の債務をかかえ、親兄弟の助けを裏切り、妻と二人で「夜逃げ」をした。
 当時、私は自己破産の知識もなく、夜逃げの道を選んでしまったから余計に惨めであった。見知らぬ土地での仕事、転居、親兄弟、子供のこと、友達のこと、望郷の念に陥るのは当然な成り行きであった。
 夜逃げは映画や物語とは違い、現実はそんなに甘くはなかった。それから免責決定まで三年一ヶ月、苦悩との戦いが始まったのである。本書は、その体験――夜逃げ、破産申し立て、アルバイト、就職、帰郷、免責決定……――を年月を追って回想した手記である。
 私は多重債務から解放された。免責決定までの三年間をふり返ってみると、脱落もせず、免責決定を目指し、妻と二人でひたすら生きて来たことを今は「良し」と確信しているし、実娘のあの「一言」で勇気付けられたことに感謝している。
 私の人生にとって自己破産は予期せぬ方向に大きく進んでしまったが、それは自らが招いたことでもあった。
 自己破産は決して「駆け込み寺」ではない。それなりの罰則もあり、職場も、友人も、あるいは本人のみならず、その家族に対しても生活基盤をもおびやかし、深刻な影響を与える場合もありえるのである。
 この手記を多重債務者だけでなく、潜在的予備軍の人達にも読んでいただきたいと思う。誰もが多額の負債に陥る危険性(住宅ローン、保証人等)はあるはずである。その時の手助けになれば幸いと願うものである。

 

目 次

 

序章 崩壊―多重債務の恐さ 

  自己破産の手続きの流れ 

  自己破産の現状 

  不渡り手形 

  経営者失格 

  金策に奔走 

 

一章 望み―残された道 

  夜逃げ

  フェリーに乗る 

  見知らぬ土地

  アパート住まいが始まった

  職探し

  妻の仕事が決まる

  自己破産を決意する 

  弁護士事務所に行く 

  多重債務者 

  破産宣告申し立て 

  門司区に帰る

  アルバイト 

  病気

  債権者意向聴取書 

  破産の審尋

  破産宣告決定

  破産管財人選任される

  免責申し立て 

  取り立て 

  破産宣告で生じるデメリット 

  ブラックリストに載る 

  宣告後の心境の変化 

  管財人からの呼び出し 

  自己破産は我が国唯一の救済制度 

  貸金業の監督は大蔵省と通産省 

  破産の保証人 

  これだけは知っておきたい「支払い義務」 

 

二章 手応え―タクシー稼業 

  タクシー運転手として就職

  タクシーのルーツ 

  雲助タクシー 

  円タクの登場 

  タクシーより速い輪タク 

  白タク登場 

  タクシー乗務員募集 

  二種免許証 

  初めての乗務

  暗黙のルール 

  タクシー運転手の勤務体系 

  タクシー運転手の賃金体系 

  タクシーメーター 

  個人タクシー 

  タクシー規制緩和問題 

  値下げタクシー発進 

  運賃破壊 

  駐車違反 

  交通事故 

  ×日のタクシー日誌 

  タクシー業界の内部事情 

  自分への反省

 

三章 安堵―生きていること 

  債権者からの請求書 

  ふたたび弁護士事務所に行く 

  新幹線の中で見たパンフレット 

  管財人任務終了、配当終了 

  故郷に帰ることにした 

  職業訓練校の試験を受ける 

  最後の管財人からの呼び出し 

  免責の審尋 

  全国高額納税者番付発表 

  免責決定 

 

 

 

読者の声

 

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