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■ おもしろ選書19 ■


図解・自分で作って納豆食う


ここまでこだわればあなたも納豆のプロだ!!


馬場貞兒 著 1998.01.29 発行  

ISBN 4-89295-115-3 C2077 A5並製・123頁・定価 1430円(本体 1300円)

 

まえがき

自分で作って納豆食う──自家製のこだわり納豆はこんなに楽しく、おいしく、そして健康によい!

 

「手作りコロッケ」とか「本格手打ちうどん」と聞くと、誰でも、なんとなく美味しそうに感じるものです。手間も時間もかけているし、材料も吟味しているはずだ。そんなイメージがあるからでしょう。
 でも手作りにこだわるなら、市販の「手作り○○」を食べるだけじゃなく、自分で作るのがいちばんです。
 自分で作ったものは、最初のころは出来不出来はつきものですが味は格別です。それに添加物を入れる必要もないので安全ですし、何よりも自分で作る楽しさがあります。
 私がこだわったのは納豆です。東北生まれの私にとって、納豆は毎日の生活と切っても切れない食品でした。炊き立てのご飯と納豆の組み合わせは私の大好物で、それは一日の元気の源でもあったのです。子供のころは、 小遣い稼ぎに近所の納豆工場から納豆を仕入れ、売り歩いた経験もあります。
 その後、地元の学校を卒業した私は、東京で就職して暮らしはじめました。見るもの聞くものすべてが珍しく、東京の生活を楽しんでいましたが、一つだけどうにも我慢できないものがありました。市販納豆の味です。
 納豆嫌いの関西人に納豆を見せると、「そんな腐ったものなんか食べられない」と口を揃えますが、本当に腐っているのではないかと思うようなアンモニア臭いものや、干からびて風味もない納豆など、とても満足できなかったからです。
 そこで私は、子供のころ食べていたような本物の納豆をずいぶんと探し歩きました。ところが見つからないのです。仕方がないので、納豆の製造メーカーにも、何度も美味しい納豆を作って欲しいと頼みました。でも、いつも曖昧な答えが返ってくるだけでした。
 大げさかもしれませんが、やがて私の納豆への思いがつのり、それならと、自分で作りはじめました。
 とはいっても、私も初めから上手に納豆作りができたわけではありません。どうすれば納豆ができるかは知っていましたが、実際に納豆を作るにはどんな知識が必要なのかまではわからなかったからです。
 最初のころは納豆らしいものはできるものの、納得できるものは作れませんでした。そして何度も失敗を繰り返しました。
 でも、東北人の粘り強さが私にもあるのでしょうか、数ヶ月して、探していた味の納豆を作ることができるようになりました。そして、どうせなら、最高の納豆を作りたくなってきたのです。
 でも、それからが大変でした。大豆にこだわり、水にこだわりしているうちに、どんどんのめり込み、最後には納豆製造器を製作するまでになりました。  しかし、自分で言うのも気がひけますが、結果はとても満足できるもので、安全で美味しい本物の納豆が安定して作れるようになったのです。
 思いどおりの納豆ができてうれしくなった私は、たくさんの友達や知人におすそわけしました。返ってきた感想は想像以上に好評で、「こんな美味しい納豆は食べたことがないよ」と誉めてくれました。お世辞もあるでしょうが、納豆嫌いの人さえ、私の納豆だけは美味しいと食べてくれたのです。
 このとき私が思ったのは、結局、本物の納豆の味を知らない人がたくさんいるということでした。あるいは、私と同じように子供のころ美味しい納豆を食べていたのに手に入らず、仕方なく市販のものを口にしている人も 少なくないように感じました。
 こんな体験から、私は、一人でも多くの人に美味しい納豆の作り方を教えてあげたいと思うようになりました。この本も、そんな私の気持ちが強くなったからです。
 最近、納豆は健康への効用が改めて注目されるようになりました。脳卒中の予防やボケの防止に効果があることや、日本中を騒がせている大腸菌Oー157の繁殖を抑える働きも発表されました。でも、この健康への効用も、自分で作った安全な納豆でなければ十分には期待できないように思います。市販納豆の大豆の品質も気になりますし、水の問題もあります。
 この意味でも、皆さんに納豆を自宅で作ることをお勧めしたいのです。美味しくて健康にいい納豆を食べたいなら、手作りに勝るものはありません。そして、納豆ができたときの喜びは何とも言えません。
 ただ、最初から立派な納豆を目指してがんばり過ぎるのは禁物です。期待が大きすぎると挫折しかねないからです。
 大事なのは、納豆作りそのものを楽しむことだと思います。家族みんなでいろいろ考え、工夫しながら納豆を作れば、家族どおしに、ほのぼのとした心も通いあいます。これも手作り納豆のもう一つの良さでしょう。
 コツをつかんで満足できるものが作れるようになったら、きれいな容器に入れて、友達や知り合いの人に分けてあげてください。喜ばれることうけあいです。  あまり難しく考えず、趣味として納豆作りを楽しんでいただきたいと思います。

 

目 次

 

1章 納豆づくりはこれだけそろえれば十分!

◆大豆

 ・初心者には小粒大豆でチャレンジが無難

 ・粒はそろえたほうが美味しい!

 ・いちおし!国産の無農薬有機栽培の大豆

 ・新しい大豆を選ばなければアブナイ!?

◆納豆菌

◆鍋あるいは蒸し鍋

◆容器

◆保温器・温度計

◆消毒用アルコール

〈コラム〉刻み納豆のココに注意!

 

2章 カンタンでウマイ!納豆のつくり方

◆下準備

 (1)水道水を一晩汲み置きする

 (2)大豆をよく洗う

 (3)大豆を水に浸しておく

◆仕込み

 (1)大豆を水煮する

 (2)容器等を熱湯消毒する

 (3)納豆菌を用意する

 (4)大豆に納豆菌を加える

 (5)手早く容器に移す

 (6)保温は試行錯誤を覚悟して

〈コラム〉納豆嫌いの人が好きになる「納豆ヌーボー」

◆編集部の納豆製造―実体験レポート

 ・大粒大豆・電気ゴタツ使用編

 ・小粒大豆・使い捨てカイロ使用編

◆まだまだ、これだけある保温法!

 ・編集部編

 ・愛好家編

◆手づくり納豆を食べてみた!

 ・納豆単品を食べる

 ・薬味の評価

 ・手づくり納豆でつくる料理

 

3章 こだわり派!垂涎の「マメ知識」

◆最良の大豆を選ぶ

◆最良の水を選ぶ

〈コラム〉ミネラルウォーターの分類

◆炭火づくりの納豆

◆納豆の稲ワラ

◆こだわりの納豆製造器

〈コラム〉体験談・納豆製造器を使ってみて!

 

4章 納豆なら「健康長寿」は朝飯まえ!

 ・安心して食べられるのは自家製だけ

 ・納豆は大豆の栄養が丸ごととれる

 ・納豆菌がビタミンBを増やす

 ・消化器系にバツグンの効用

 ・O−157も納豆で死滅!?

 ・慢性病を防ぎガンも封じ込む

 ・ナットウキナーゼが血栓を予防する

 ・糖尿病を防ぐにも納豆は最適

 ・肝臓病の予防に

 ・納豆で“脳内革命”

 ・骨粗鬆症予防に最適

 ・納豆で子どもの非行が減る!?

〈コラム〉納豆博士の納豆のすすめ

 

 

 

著者紹介

 馬場貞兒(ばば ていじ) ■

 

昭和12年青森県生まれ。 昭和36年上京。会社経営のかたわら納豆づくりは30年以上。 本格的に取り組み始めたのは10年ほど前から。いまでは納豆の 保湿器の設計なども手がけ、パテントも取得するようになった。

 

読者の声

 

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