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■　ハート出版の犬と人シリーズ　■

犬と人のこんないい関係

犬の数だけドラマがある …愛があふれる１２編

第３回わんマン賞受賞作品（短編部門）

ハート出版編集部　編 　2000.02.21　発行　　

ISBN 4-89295-155-2 C0036　四六並製・255頁・定価 1430円（本体 1300円）

夫婦喧嘩を食べた犬　 矢島　友幸

「夫婦喧嘩は犬も食わない」とよく言いますが、これが犬好きの夫婦の場合は、話が変わります。些細なことで大喧嘩になり離婚を決意した夫。 いつ離婚を切り出そうかと、口も聞かないまま夫婦で犬の散歩に出かけます。そこで起こったこととは一体……。

ゆうの小屋　 杉山　沙耶香

マンション住まいの一家が、両親と同居するために一軒家に引っ越しました。そこで少女はこれまで飼うことが出来なかった念願の犬を飼うことになりました。 いくつかの別れ、そして神戸・淡路大震災。さらに自分の受験。思春期の悩みと闘いながら、少女が犬小屋の中で見た景色とは……。

ありがとうを花束にして　 ら　かれん

ある日、一家の大黒柱が家庭を捨て、若い女性の元に去りました。残された妻、老母、そして一人息子。そこにやってきたのが大きな犬でした。 彼は家族にとって、夫であり、父であり、そして一家の心の支えとなったのです。

ハックがいた日々　 近藤　幸恵

ハックルベリー＝フィン――童話「トムソーヤの冒険」で主人公トムの親友であるやんちゃな少年です。彼にちなんで「ハック」と名付けられた野良犬。彼は少女たちにとって、まさに童話の中の「ハック」そのものだったのです。

ぬくもり　 茂垣　竜彦

実家で飼っていた犬が死んだ――。兄弟がみな、彼女に自分の生きた証を見せていた中で、末っ子の自分だけが何も見せていない――。彼女のために自分ができることとはなんだろうか？その意味を必死で模索できるのは若さの特権ではないでしょうか？

命のバトンタッチ　 小田　昭子

引きこもりだった次男を立ち直らせてくれた愛犬「さすけ」。彼の死と共に空虚な状態になってしまった主婦に、一件の電話がかかってきました。「さすけ」で終わるはずだった物語が、また始まるのです……。

天使色のシロ　 今田　秋津

誇り高き野生動物は、自分の死期を悟ると群から離れて、仲間に死に目を見られないようにすると言います。 いよいよ死期が近づいたときに忽然と姿を消したシロ。十数年間飼い犬として暮らしてきた彼に、野生の血がまだ残っていたのでしょうか。それを知る者は、もはや彼自身だけなのです。

ありがとうレミ　 志野　和美

愛犬が病気になったとき、家族は出来る限りのことを懸命にしました。しかし結果は悲しいものでした。 「私たちがしたことは本当に正しかったのか？」 家族は悩みます。犬の幸せって、結局なんなのでしょうか？

マコの静かな活躍　 山本　ひろし

家族の留守中に、空き巣が侵入しました。にもかかわらず、留守番していたマコは一度も吠えませんでした。警察や近所から「役立たず」のレッテルを貼られそうになるマコ。 しかし、思わぬ展開がマコを待ち受けていたのです。

名犬ラッキー　 中田　慶

ウチの目覚ましはタイマーをセットする必要がありません。でも、決められた時間に正しく家族全員を起こしてくれます。そんな都合のいい目覚ましがあるのかって？これがあるんですよ。まあ、お読みください。

風になれ、リキ　 沢田　はるか

母がもらってきた子犬リキとウチの祖母は、どうしても相性がよくなかったようです。それでも私とは姉弟のようにいつも一緒にいました。そんなある日、よりによってリキと祖母が厄介な事件に巻き込まれてしまうのです……。

『鈴木さん』　 田邉　智子

街で見かけた野良犬は、身なりは汚いけどしつけは行き届いている犬でした。しかも、「鈴木さん」という声に反応する変な犬でもありました。そのため、一時的に家で飼うことになった彼は、「鈴木さん」と呼ばれるようになりました。