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■ ハート出版の実用書 ■


蕎麦なぜなぜ草紙


あなたはそば屋のなぜに答えられるか?

*なぜ、ソバは「せいろう」にもられているのか
*なぜ、「庵」のつくそば屋が多いのか
*なぜ、ソバ屋の薬味の主体は「ネギ」なのか
*なぜ、ソバを食べたあと「ソバ湯」が出てくるのか
*なぜ、おひな様に「ソバ」を供えるのか
*なぜ、乾いたソバに「日本酒」をかけるのか


藤村和夫 著 2002.07.27 発行  

ISBN 4-89295-491-8 C0077 四六並製・240頁・定価 1430円(本体 1300円)

 

内容紹介

蕎麦なぜなぜ草紙…あなたはそば屋のなぜに答えられるか?

 

おいしいそばも、ウンチクがわかり、老舗ごとに違う流儀がわかると、なお美味しい。

いまや全国で「手打ち道場」などが大流行。
しかし、昔は当たり前だった伝統や流儀が失われ、意味がわからなくなりつつある。
そこで人気コミック「そばもん」を監修した東京・有楽町「更科」元4代目がそば屋の「なぜ」に答える。

現役のそば屋の主人も知らない知識が満載。これであなたは“そば通”、そば屋の上客になれる!

 

「序」より


昔、素人さんからそば屋へ新規参入された方が、そばについて、まるで神がかり的なことを述べられているのを聞いたり、旧来のそば屋では考えられないような解説をされているので、びっくりしたことがあります。

やり方、技術のことばかりでなく、そば屋やその周辺でさまざまな習慣があります。
ところが、それがいつのまにか「なぜ、そうなっているのか」ということがわからなくなり、それに珍奇な解説がついたりしております。

先日も、お客様方が、「そばにはどこまで汁をつけるべきか」と、大変お悩みであったことを知りました。
これは落語家の責任かもしれません。そば屋のほうの宣伝不足もそれに輪をかけたのでしょう。
一体、なぜ、そばの下のほうにだけ汁をつけ、もぐもぐと食べずにすすり込むという形態が定説になったのでしょうか。

そうした「なぜなぜ」や、「それをどこで調べればわかるか」を、いささか独断と偏見に満ちたところもあるかと思いますが、そこはかとなく書き綴ってみたいと思い立ち、また、筆をとりました。
ついでに、よけいな雑学も入れておきます。
真面目な本でしたらページの無駄であるとカットされますが、そばに関してはそうアンチョコに書く項目もないので、周辺も取り込んで「横丁の隠居」風に、これまで覚えてきたヨタ話も書かせていただきます。
こういう話は一番先に忘れられてしまうかもしれません、まず記録されることはないのです。

昔、「あの人からこの話を聞いておこう」などと思っているうちに、その年寄りが亡くなったりしましたが、そのときには宝船が宝物を積んだまま沈没してしまったような気がして大変がっかりしたもので、それを少しでも補おうと聞いただけの話は『そば屋の旦那衆むかし語り』(ハート出版)という本にしました。
まだ活字にしていないものもあり、それを聞いている私なども、もしかすると、そろそろ宝船になっているかもしれません。
つまらない宝ですが、せいぜい荷を下ろしておきます。

その宝物も、どこかで発見したものです。
発見場所がわかれば、まだ埋まっています。
見落とし、拾い残しはまだまだたくさんあります。
ですから、どこにあるかも書いておきました。
それを一度でもチラッとでもご覧になれば、アンチョコ頼りよりもはるかに自信がつきます。
そんなことをしないでも、結構能書きがいえるくらいはここに書いたと思います。

近頃、お知りあいのそば好きな方に、そばについての「ごく素朴な疑問」を一生懸命聞き出しております。
そば屋のほうからすると、「アア、そんなことに悩まれていたのですか」というようなことが多く、またそば屋からすると「エッ」というような、こちらも忘れてしまったようなこともあります。
こういう「エッ」というようなことは、おそらく現役のそば屋の主人も知らないでしょう。
それではお客様から聞かれて恥をかきます。
ついもっともらしい返事をして、それがまたマスコミを通じて広がって、常識として通用してしまっているのでしょう。

汁にどこまでそばをつけるべきかは、そうして食べては美味しくないそばや汁を売っているそば屋まで「下のほうにチョコッとつけて」などといっております。

そば屋に入ってそばを眺め、「どこまで汁をつけるか」を悩んでいると、目の前のそばはたいてい蒸籠に盛られています。
手前には割り箸、脇の薬味皿には、たいてい薄輪切りの葱と山葵、テーブルの端には七味唐辛子。
「なぜ、そばは蒸籠に盛られているのか。
薬味は入れるべきか」などと哲学的に考えておりますと、そばは延びてしまいます。
「そばは、なぜノビルのか」と疑問は広がります。

そんなふうに考えられる点が、そばが飽きられず、お客様からご支持をいただいているところかもしれません。
遊べるところがたくさんあるのです。

そばのうまい、不味いについての論議、討論も活発です。
「法論はどっちが負けても釈迦の恥」ですが、「鰯の頭も信心から」、「幇間お宗旨ばかりは負けていず」。

他人の信心をくさすとロクなことはありません。
「さわらぬ神に祟りなし」です。
もっとも同じそば同士でくさしあっている分には、命にかかわることはありません。

昔から、お天気の話と食べ物の話をしていれば無難なことになっています。
そうかといって「法論」をするにも、知識が足りないと負けてばかりいます。

 

目 次

 

 序――これはアンチョコです。


 一、 なぜ 「そば」は「蒸籠」に盛られているか
 二、 なぜ 「そば」はノビるのか
 三、 なぜ 「そば」は「チョコ」で食べるか
 四、 なぜ 「そば屋」の箸は「元禄」か
 五、 なぜ 「そば屋」の薬味の主体は「葱」なのか
 六、 なぜ 「大根おろし」はあまり付かないか
 七、 なぜ 「薬味」の二番手は「山葵」なのか
 八、 なぜ 「唐辛子」が付きものか
 九、 『蕎麦全書』の薬味
一〇、 なぜ 「手打ちそば」は美味しいのか
一一、 なぜ 機械のない江戸時代から「手打ちそば」があったか
一二、 「そば」の美味しい不味いは、どこで判断できるか
一三、 江戸のそばの太さはどのくらいか
一四、 なぜ 現在の手打ちには「麺棒」を三本使うか
一五、 なぜ 「そば」は細く長くなったか
一六、 なぜ 「うどん」は「そば」より太いのか
一七、 「そば」と「うどん」の国境線はどこか
一八、 なぜ 「そうめん」を茹でるときに湯の表面に半紙を乗せるか
一九、 色が濃いほど「そば粉」がたくさん混ぜられているのか
二〇、 「さらしな」に「さらしなそば」を盗まれた「さらしな」
二一、 なぜ 「そば」は「茹でたて」でなくてはならないか
二二、 なぜ 「もりそば」に熱湯をかけた「湯通し」があるのか
二三、 なぜ 「乾いたそば」に「日本酒」をかけるのか
二四、 なぜ 「そば」は江戸で好まれたか
二五、 なぜ 「お一人前」というと蒸籠が二枚出てくることがあるか
二六、 なぜ 「そば」を食べると力が出るか
二七、 なぜ 風邪をひいたときに「うどん」を食べるのか
二八、 なぜ 「うどん」は「うどん粉」で作るのか
二九、 「夜そば売り」は何を売っていたか
三〇、 「種物」はいつ頃からあるか
三一、 「しっぽく」と「五目そば」と「おかめ」の違い
三二、 「玉子とじ」と「かきたま」と「けいらん」の違い
三三、 なぜ 「鴨南蛮」の「葱」がときどき焼いてあるか
三四、 なぜ 「天もり」が「岡」へ上がったか
三五、 「色物」と「変わりそば」
三六、 なぜ 「蒸籠」に盛り海苔をかけたそばを「ざる」というか
三七、 なぜ 「庵」のつくそば屋が多いのか
三八、 なぜ 「そば」と「お寺」と関係が深いか
三九、 江戸時代の「そば汁」
四〇、 「出汁が利く」というのはどういうことか
四一、 なぜ 「煮物」に出汁を使うのか
四二、 なぜ 煮物でない「そば汁」に出汁を使うのか
四三、 どんな「そば」と「汁」のときに下のほうにチョコッとつけて食べるのか
四四、 なぜ 「江戸のそば汁」の色は濃いか
四五、 なぜ 「そば汁」は「タレ」と呼ばないか
四六、 「かつおぶし」は全部「鰹」でできているのか
四七、 なぜ 「日本酒」は燗されたのか
四八、 カビの国「日本」
四九、 なぜ 「そば汁」は「八方汁」と呼ばれるのか
五〇、 なぜ 海で採れる昆布に「山出し」があるのか
五一、 なぜ 「大晦日」にそばを食べるのか
五二、 なぜ 「引っ越し」をするとそばを配ったか
五三、 なぜ 「棟上そば」があったか
五四、 なぜ 「お雛様」にそばを供えるか
五五、 なぜ 「口入宿」があったか
五六、 「やどやの親分」の仕事
五七、 そば屋の「職人」になるには
五八、 そば屋の職人の「階級」
五九、 なぜ 「出前機」で出前をするようになったか
六〇、 なぜ 「出前持ち」は「ドンブリ」のついた腹掛けを着ているのか
六一、 なぜ 「そば」を食べた後で「そば湯」が出てくるのか
六二、 なぜ 「そば湯」を「湯桶」といい、湯桶はふつう四角いか

あとがき
 

 

 

あとがき

 ここに書きましたことは、何も目新しいことではなく、これまで、折にふれ、あちこちに書き散らかしましたことを、簡単に見つけられるように取り集めたものです。  ただ、「そばの文献」は、昔はあまり需要がなく、出版部数も少なかったので、今になると探すのに苦労します。
 たとえば、私がこれが最高の「虎の巻」だと信じている『蕎麦史考』は錦正社という出版社から、わずか二〇〇〇部刷られ、それでもなかなか売れなくて、私のところに「あと三部残っている」と知らせがあったときに、「みんなくれ」と買い込んでおいたのですが、後になって、当時「日本そば新聞」の編集長をボランティアでやっておられた、国立国会図書館の副館長さんであった陶山さんから「おまえ四冊ももっているんだってナ、一冊分けろ」といわれたり、ぜひにと懇願されたりして、手元に一冊しか残らず、私が、大病をしてもう文筆活動は無理だろうと、自分の資料を全部岩崎信也さんに譲ったときにも、自分の著書のほかは、その一冊だけをいまだに手元に残してあります。
 自分の著書でも、『そばの技術』と『そばつゆうどんだし』は手元にありません。これは、そうした資料が、どこに書いてあるかを残しておくために書いたようなものです。
 そういえば書き残したことに、「大田庵のおかめ」の看板は、平井の増音さんが手に入れられ、所蔵しておられ、たしか、現在は江戸川区区役所が郷土資料として管理しておられるかもしれません。その中には、古いそば屋の貴重な道具もたくさん含まれております。
 幸いにして、体力も回復いたしましたので、これからも、また、心に移りゆくよしなしごとを書く機会もあるかと思います。

藤村和夫

   

 

著者紹介

 藤村和夫(ふじむら かずお) 

 

1930年、東京都生まれ。「有楽町・更科」4代目。蕎麦の技術や歴史に造詣が深く、軽妙な語り口と文体には定評と人気。蕎麦職人のご意見番的な存在で麺業界に貢献。第1回そば文化大賞受賞。2011年永眠。
著書に、 『だしの本』 『蕎麦つゆ江戸の味』 『麺類杜氏職必携』 『改訂版・そば屋の旦那衆むかし語り』 『図解・旨い! 手打ちそばに挑戦!』 『図解・旨い! 手打ちうどんに挑戦!』 『蕎麦なぜなぜ草紙』 『蕎麦全書伝』 (以上ハート出版)、『蕎麦屋のしきたり』『江戸蕎麦通への道』(NHK出版)、『さらしなの暖簾に伝わる変わり蕎麦』(家の光協会)など多数。『そばもん―ニッポン蕎麦行脚』(ビックコミックス)の監修をつとめる。

 

読者の声

 

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