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■ ドキュメンタル童話シリーズ 


いのちのバトンリレー

臓器移植を乗り越えた少女と白血病の少年の物語

故ジャンボ鶴田夫人・鶴田保子さん(ジャンボ鶴田基金代表)推薦

「病気で大変な人たちを少しでも助けたい」――
この本は、つぅさん(ジャンボ鶴田)からのそんなメッセージです。
“やさしさの輪”が広がれば、助かる命があることを忘れないでください。

ひとの命が別の命を救い、そしてその命が次の命を救った感動の物語

お母さんからの生体肝移植手術もむなしく、肝硬変を再発させてしまった村木理恵ちゃん。このままでは命に関わると、海外での臓器移植手術を決断します。その募金活動に、一人の少年が立ち上がりました。白血病を骨髄移植で克服した古田淑樹くんです。
「自分も多くの人たちのおかげで命が救われた。今度は自分が誰かの役に立ちたい」
古田くんの他にも多くの人たちの協力で、理恵ちゃんは無事に海外での移植手術を成功させました。しかし帰国した理恵ちゃんにもたらされたのは、古田くんの容態の急変だったのです……。

小学校中学年以上向き


関 朝之 作 2007.06.11 発行  

ISBN 9784892955600 C8093 A5上製・160頁・定価 1320円(本体 1200円)

 

はじめに

ジャンボ鶴田

「また海外での臓器移植を希望する患者さんが出ました。今日、埼玉県庁で募金活動の協力を呼びかける記者会見があるのですが、取材してもらえますか?」
平成十八年六月二十七日、ぼくの家の電話のベルが鳴りました。受話器の向こうの声の主は「日本移植支援協会」の事務局長・高橋和子さんです。この協会は、おもに「臓器移植を必要とする患者さんと、その家族を支援する活動」をしています。
会場にかけつけると、新聞社の記者やテレビ局のカメラマンたちが、一人の男の子の話に耳を傾けていました。この日、記者会見をしていたのは小学三年生の男の子で、お母さんが原発性胆汁性肝硬変という重い肝臓の病気にかかり、お医者さんから「肝臓移植しか助かる道はない」という診断を受けてしまったそうです。その結果、海外で臓器移植を受けることを選んで、多くのお金が必要になったのです。このため、高橋さんたちは記者会見を開き、新聞やテレビを通して、男の子のお母さんのことを多くの人たちに知ってもらい、募金の協力を呼びかけようとしていたのでした。
ほかの記者たちと違い、どこの会社にも所属していないぼくは、男の子の話を新聞やテレビに取り上げて、多くの人たちに知らせる手伝いができませんでした。できたことといえば、記者会見のあと、その男の子が胸から下げていた募金箱に「がんばって……」という言葉とともに、ポケットのコインを入れるだけでした。ぼくは、ただただ男の子のお母さんが元気になることを祈って、会場をあとにしたのです。
そんなことがあった二年ほど前の平成十六年七月十日、ぼくは友だちからさそわれて、東京ドームで行われるプロレスを見にいきました。その会場の片すみで、プロレスラーだったジャンボ鶴田さんが高々と右手を突き上げている写真が表紙になっているカードが配られていました。
〈ジャンボ鶴田〉──。ぼくが中学生だったころ、後楽園ホールにプロレスを見にいったとき、会場そばのジーンズショップで、その姿を見かけました。とっても大きな人でした。それからも、プロレス会場やテレビで鶴田さんの試合を数え切れないほど見ていました。しかし、いつからか、鶴田さんはリングから姿を消し、その後復帰したもののメインイベントやセミファイナルという重要な試合から遠ざかっていきました。
その後、鶴田さんは、プロレスラーを引退しました。
それから何年かが過ぎて、鶴田さんが亡くなったというニュースがテレビから流れてきたのを覚えています。ほんとうにびっくりしました。
その鶴田さんの奥さん・保子さんが「海外でしか臓器移植手術を受けることができない人たちの精神的な負担を少しでも和らげる」ということを目的とした「ジャンボ鶴田基金」を立ち上げたことも聞きました。
そんな「ジャンボ鶴田基金」の活動内容が記されているカードが目の前で配られていたのです。ぼくは、東京ドームでもらったそのカードを大切にとっておきました。
その後、「ジャンボ鶴田基金」の記事を、ある雑誌に書かせてもらいました。この九ヵ月後には、「海外で肝臓の移植手術を成功させた村木理恵さん」の記事も書かせてもらいました。
すると、鶴田さんがプロレス引退後に暮らしたアメリカ・オレゴン州の中にある町と、理恵さんが暮らす町が、偶然にも姉妹都市であるということを知りました。そして、人と人は、どこか知らないところでつながっているのかもしれないなぁ、とぼんやりと思っていました。
〈人と人のつながり〉──それは身近な家族、親せき、近所の人たち、クラスメートなど、見知った顔の人との関係がほとんどかもしれません。けれども、この本には、そんなつながりのほかに、まったく顔を知らない人どうしの絆が出てきます。
人はなぜ、見知らぬ誰かをも助けようとするのだろう……。そのようなことを心のすみに置きながら、この本を読んでいただけたらうれしく思います。

 

 

目 次

 

 

      はじめに


      ジャンボ鶴田さんのニュース

      お母さんからわけてもらった命

      「やさしさ」の基金の設立

      くりかえした「入院」と「退院」

      お父さんとの約束

      どうか、力を貸してください

      見知らぬ“仲間”のために

      広がる「やさしさの輪」

      助かる命なら助けたい

      希望のフロリダへ

      飛行機にわき上がった歓声

      命

      夢にまで見た「普通の暮らし」


      おわりに

 

 

著者紹介

 関 朝之(せき ともゆき) 

 

1965年、東京都生まれ。城西大学経済学部経済学科、日本ジャーナリストセンター卒。仏教大学社会学部福祉学科中退。スポーツ・インストラクター、バーテンダーなどを経てノンフィクション・ライターとなる。医療・労働・動物・農業・旅などの取材テーマに取り組み、同時代を生きる人々の人生模様を書きつづけている。2006年、「声をなくした『紙芝居やさん』への贈りもの」で「第1回子どものための感動ノンフィクション大賞」優良作品賞受賞。
著書に
瞬間接着剤で目をふさがれた犬 純平』(ハート出版)
えほん・めをふさがれたいぬ じゅんぺい』(ハート出版)
タイタニックの犬 ラブ』(ハート出版)
救われた団地犬ダン』(ハート出版)
えほん・だんちのこいぬダン』(ハート出版)
のら犬ティナと4匹の子ども』(ハート出版)
ガード下の犬ラン』(ハート出版)
高野山の案内犬ゴン』(ハート出版)
のら犬ゲンの首輪をはずして!』(ハート出版)
学校犬マリリンにあいたい』(ハート出版)
植村直己と氷原の犬アンナ』(ハート出版)
愛された団地犬ダン』(ハート出版)
いのちのバトンリレー』(ハート出版)
『歓喜の街にスコールが降る』(現代旅行研究所)
『たとえば旅の文学はこんなふうにして書く』(同文書院)
『10人のノンフィクション術』(青弓社)
『きみからの贈りもの』(青弓社)
『出会いと別れとヒトとイヌ』(誠文堂新光社)
など。

 

 

読者の声

 

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