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■ 新引きこもりからの旅立ちシリーズ 6 ■


子育てに立ち往生の親子へ

光明が差し込むカウンセラーの返信


富田富士也 著 2001.03.22 発行  

ISBN 4-89295-169-2 C0037 A5並製・240頁・定価 1650円(本体 1500円)

 

内容紹介

子育てに立ち往生の親子へ

●この本を読んでいただく前に……
   人間関係のなかでも、とくに親子関係に「立ち往生」は、つきものです。
 なぜなら他人事ではすまされないからです。わかりやすく言うと「逃げられない関係」にあるのが親子、家族関係なのです。
 さて、いつも順調に、思いどおりに子育てができるとは、かぎりません。外に出掛けるときも、いつもニコニコと笑顔で家族が「行ってらっしゃい」と見送ってくれるとはかぎりません。
 そう、それは突然やってくるのです。
 親はそのとき、とまどい、迷い、あわてます。平常心が揺れるのです。「いったい、何が起きたんだ!」と、それこそ立ち往生するのです。たとえば、こんな具合(突然)です。


(1)朝起きたら、子どもがなんの前触れもなく口をきいてくれなくなった
(2)息子にちょっと意見したら、突然「クソジジィ」(クソババァ)と言われた
(3)子どもが突然「なぜ、おれを生んだんだ」と聞いてきた
(4)娘の靴が、突然、キンキラキンのハイヒールになった
(5)いつも家族にもしゃべらない息子が、ゲーム機に向かって、目の前で独り笑い、しゃべり だした
(6)息子がチャパツ、ロン毛になって、学校から帰ってきた
(7)小学校では 点取ってた子が、中学ではいきなり 点になった
(8)おとなしい子が、帰宅してみるといきなり居間でバットをもって仁王立ちしている
(9)部屋に突然、鍵をかけて、閉じこもり、返事もしない
(10)子どもの手帳を見たら「H」の字がいっぱい書いてあった


 さて、こんな状況に陥ったら、親としてはただただとまどうばかりですね。
 どうしたらいいでしょうか。

◇諭す
◇叱る
◇突き放す
◇励ます
◇あえて無視する(無視するのもコミュニケーションの一つです)


 いろいろな方法があるでしょうが、どうしても親の不安は隠しきれませんよね。でも立ち往生して振り返ってみたことが、まず重要です。なぜなら関わろうとしているからです。問題は、立ち往生することもなく、そのまま問い返すこともなく過ぎ去ってしまうことです。「なにが起きたんだ!」と感じることができないのは、親子、家族関係に鈍感になってしまっているからです。だから「立ち往生」したことは、親子関係の痛みや悲しみに気づいたことであり、恥ずかしいことでも、情けないことでもありません。親として家族の一人として誠実な姿です。
 しっかり立ち往生して、そのいだいた感情を見せると、たいていは子どもからこう反論されます。


 「わかってるよ」
 「うるせぇい」
 「いまさら、親の面するな」
 「おれは、親の操り人形じゃねぇ」


 すると、親はますます頭が真っ白になって、立ち往生し、怒りの感情がわいてきます。それに、義経を守るために、矢ぶすまになりながら立ったまま往生した、あの弁慶ほど強くはありません。普通の人間です。親としても、なにかひと言、その怒りを子どもに返したくなります。


 「親にわかるように話さないか」
 「そんな、ささいなことで、傷つくのか」
 「大人になれば、もっと厳しいことがたくさんあるんだぞ」
 「いつまで、そんな子どもみたいなことを言ったり、やっているんだ」


 こうして、親子の堂々巡りがはじまるのです。それでも、双方があきらめずに堂々巡りをしていればいいのですが、親が「勝手にしろ」とキレて、人間関係を絶ってしまうと大変です。「勝手にしろ」といいながら、心配するのが親ですが。


 「とっとと、この家から出ていけ」
 「あぁ、出ていくよ。二度と帰ってこないからな」
 「勝手にしろ」
 「おお、勝手にするよ」
 「どこに行くんだ。出て行くなら、行き先ぐらい言っておけ」
 「勝手にしろって、言ったろう」


 落語のような話ですが、これが親子というもので、この瞬間に笑いあえたらいいのですがね。口では「勝手にしろ」といいながら、「それでもなぁ、おまえ」と、やっぱり「勝手」にできない親としての苦しみを、子に伝える努力がとても重要ですね。親だから、他人事にはできず、どうしても一歩踏み込む。その親の心、心配が、押しの強さになるんですね。でもいいんです。格好悪くても必死で「立ち往生」している姿が尊いのです。そしてその思いが、いつしか子に伝わるのです。だから、心配していいのです。大いに心配してほしいのです。
 子どもは一つの側面として、自分の訴えで悩んでいる親の姿に「がんばり」を意識するのです。

 先にあげた(10)の「突然」についてですが、実は子どもに言うべき解答はありません。
 「無責任な」と叱られそうですが、おそらくなにを言っても、子どもは反発するのではないでしょうか。それは、ただ親が子どもの心に無頓着になっていないかを謙虚にみつめてくれれば、それでいいからです。「立ち往生」している時間を大切にして、足元をみつめてほしいだけなのです。
 大切なのは、なにを言うべきかではなくて、とまどうしかない親の真摯な姿をみせるべきでしょう。
 つまり、「親は心配なんだよ」という正直さを、子どもにいかに示すことができるかです。
 立ち往生して、右往左往して、ハラハラして、「困るよ〜」「でもおまえのことだから、心配ないとは思うけど……、でも心配」と、親の気持ちと姿勢から、子どもはなにかを感じとるのです。それは立ち往生してまで、わが子と関わろうとしてくれる親の愛情です。

 「いろいろ、口うるさいこと言う親だけど、おれのこと、見捨てていないんだぁ」  「まだまだ、私のこと、子どもだと思ってるのね。もうこんなに大人になったというのに。親はまだ、子離れできてないなぁ」

 と、そんなふうに思うのです。親の立ち往生で子どもに少しだけ余裕が生まれるのです。これが人間関係の修復への気づきの一歩≠セと思います。

 立ち往生したり、悩んだり、迷ったりすることは、大切なことです。
 立ち往生するから、それまで見えなかったものが見えてくるのです。

 大いに立ち往生してください。そして、一呼吸おいて、間をとって、照れたら照れたままで声をかけてください。

 「おい、どうしたんだ? お父さん、心配だなぁ」
 「ねぇ、お母さん、びっくりしたわ。いきなりだもん。なんかあったの?」

 そこから、親子の人間関係が、ふたたび深まっていくのだと私は相談活動のなかから学んでいます。

 さぁ、大いに立ち往生し、大いに迷ってください。
 子どもの悩みが深ければ深いほど、親は親らしくさせてもらえるのです。ただし、逃げないかぎりは……。





 

 

目 次

 

 

この本を読んでいただく前に……

 

プロローグ
絡んで悩み、迷ったら一歩踏み込む――人間関係の保険
・情けは人のためならず……
・見せかけでなく本音で
・思いやりの掛け金、積んでますか? 

 

1章 あなただけじゃない
  気づきの一歩を踏み出そう

僕は一人前≠フ人間になりたいんです
あてにならない学歴とは思いつつ
「問題を起こして父親を困らせてやる」という息子
いっそ逃げ出したい「母親」の私
「親に愛されていない」と息子は言った
わが子が情けないです
手加減のない息子の暴力
家出を繰り返す娘に悩みきっています
どうして汚れにこだわるの
人を受け入れきれない自分が情けない
学歴があっても、友だちができないとつまらない
「使いものにならない人間」と言われたくない
僕はサイテーな人間です
自分がダメな人間でないことを証明したい
社会との接点をもって生きたい
情けない自分の心を満たそうとして過食に
きっかけがほしい
なんとかやっていけそうな気がして
「めめしい男」と言われつづけて
父が心配してくれている証がほしいの
いちばん信用できないのは親
父の年金と母のパートに頼りながら
ボーダーラインと診断されたが
もうこんなのいやだ、友だちをつくろう
もがいていたものが、スーッと抜けて
親が成長すれば子どもも成長する
二四時間を子どもに返して
引きこもる弟は家族の宝物、負担のない待ち方で

2章 誰でも一生懸命なのですね

ケンカできる夫婦がうらやましいです
ドジでいつも一生懸命なんです
切ない母親の胸のうちを聞いてください
私は丸ごと受けとめたことがあるだろうか
「いい子」を求めてしまう「いい子」の私
四二歳でやっと還る家≠ェできました
弱音やグチ、言ってもいいけど聞いてもあげて
親って、絶対に死なないと思っていました
負けそうになったときは人生の並木路≠歌って
愛おしさこみ上げると中座しないではいられない
お迎え≠ェくる前に、やさしさに気づけたね
逆ギレしてくれるからこそ、安心して当たれる
子どもを残し講演会に出かけることに迷いつつ
やり取りがあってこそ関係を確認
講演会一つにも多くの人の支えがあるんですね
やっぱり謙虚になるのが長生きの秘訣ですね

エピローグ 子どもと共に踏ん張る のキーワード

(1)せめぎあって、折り合って、お互いさま
(2)「犯人捜し」からは何もうまれない
(3)「思い遣る」思いがあってこその「思いやり」
(4)どっちに転んでもいまを生きることに変わりはない
(5)あせらず、あわてず、あきらめず
(6)保護することに過ぎたるはなし
(7)子どもを「孤ども」にしない
(8)うっとうしいセレモニーも絆づくりにひと役
(9)泣いて笑った原風景を忘れずに
(10)苦しいことをいま、笑って話せたら

 

あとがき

あなたにとっての寅さん¢蜷リにしていますか


 

 

著者紹介

 富田富士也(とみた ふじや)

1954年、静岡県御前崎市出身。教育・心理カウンセラーとしてコミュニケーション不全に悩む青少年への相談活動を通じ、絡み合いの大切さを伝えている。「引きこもり」つづける子どもや若者、その親や家族の存在にいち早く光をあて、「治療的」でないカウンセリングの学びの場を全国的に広めている。総合労働研究所所員、千葉明徳短大幼児教育科客員教授、千葉大学教育学部非常勤講師等を経て現職となる。

■現在 「子ども家庭教育フォーラム」代表
    文京学院大学生涯学習センター講師
    日本精神衛生学会理事
    日本学校メンタルヘルス学会運営委員
    日本外来精神医療学会常任理事
    NPO法人「保育ネットワーク・ミルク」顧問
    「ケアする人のケアを考える会」代表
    「心理カウンセラーをめざす研究会」代表

 

 

■主な著書
  『新・引きこもりからの旅立ち』シリーズ1
  『言ってはいけない親のひと言』シリーズ2
  『心のサインを見逃すな』シリーズ3
  『子どもが変わる父のひと言』シリーズ4
  『傷つきやすい子に言っていいこと悪いこと』シリーズ5
  『子育てに立ち往生の親子へシリーズ6
  『いい子を悩ます強迫性障害Q&A
  『「いい子」に育ててはいけない
  『子どもの悩みに寄り添うカウンセリング
  『父の弱音が「荒ぶる子」を救う
  『引きこもりと登校・就職拒否、いじめQ&A
  『子どもの心が聴こえますか?
  『子どもの心を開く聴き方、閉ざす聴き方
  『子どもたちの暗号
  『もう保育で悩まない
  『「いい家族」を願うほど子どもがダメになる理由
●講演CD
  『ぼく、心が痛いよ
  上記すべてハート出版より

 

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